エレン・バースティン、『エクソシスト』復帰の条件
1973年に記念すべき第1作目が公開された映画『エクソシスト』は、ホラー映画でありながら第46回アカデミー賞で史上初となる作品賞ノミネートとなり、脚色賞と音響賞を受賞。主演のエレン・バースティンも主演女優賞にノミネートされた。その後3作のフランチャイズ作品が制作されたが、現在制作が進められているリブート版では、なんとエレンが50年ぶりにフランチャイズにカムバックする。しかも主演!
リブート版はエレンとレスリー・オドム・Jrがメインとなり、3部作となる予定。演じるのは前作と同じくクリス・マクニールとなる。
エレンと言えばこれまでにも、『この森で、天使はバスを降りた』や『やさしい嘘と贈り物』、『インターステラー』といった良作に出演してきており、今年で90歳になる。このタイミングで『エクソシスト』に復帰しようと思ったのはなぜなのか? 米THRのインタビューで、彼女はこう話し始めた。
「『エクソシスト2』の多くのバージョンを断ってきたのです。毎回“ノー”と言ってきました。今回は制作陣に巨額の出演料をオファーされましたが、ノーと言いました。すると制作陣は戻ってきて、『出演料を2倍にしました』と言われたので驚きました。『OK。考えさせてください』と返事をしました」
出演料がポイント? イエス。そうなのだが、そこには、ペース大学において修士のプログラムを持つアクターズスタジオを運営しているエレンのこんな思いがあった。
「『あれは非常に高額。検討しましょう』と思いましたが、次に、『悪魔が私の価値を聞いている』という思いが頭に浮かびました。そして次に考えたのは、『私の価値は、ぺース大学の私の修士プログラムにいる才能のある生徒たちへの奨学金制度。それが私の値段』ということです。そこで私は制作陣の元へ戻り、そのオファーをさらに上げ、最終的に私の求めたものを得られました。若い俳優たちへの奨学金制度です」
これからを生きていく次世代のために行動する。彼女の行動はまさに大御所の鏡だと言える。50年ぶりにエレンが『エクソシスト』に出演してくれるだけでも嬉しいものだが、こんな裏話があったともなれば、もはやホラーを見ていてもほっこり?
(フロントロウ編集部)