ディズニー最大のファンイベント「D23 Expo」初日。3日間におよぶ祭典での目玉のひとつが、6,800人が収容できるホールD23で開催される「スタジオ・ショーケース」。これはディズニー傘下の映画スタジオによる新作発表会なのだが、初日は、ディズニーの実写映画、ディズニーのアニメ映画、ピクサーのアニメ映画の新作が発表された。(フロントロウ編集部)

ディズニーの実写映画

 コロナ禍が始まる2019年に1年間に5本の作品が世界興収10億ドルを突破した史上初の映画スタジオという偉業を達成したディズニー。その膨大なコンテンツ力を痛感させる記録だったが、5作品のうち2作品(『ライオン・キング』と『アラジン』)がディズニーの実写作品だったため、ここは大注目カテゴリー。(※ほかの3作は『トイ・ストーリー4』、『アベンジャーズ/エンドゲーム』、『キャプテン・マーベル』)

 ディズニーと言えば近年は、ディズニーの人気作品の実写化や映画『ジャングル・クルーズ』のようなディズニーパークのアトラクションの映画化など、最新のテクノロジーとディズニーのコンテンツ力を活かした新作づくりをしているが、今後数年も実写化の流れは続くことになりそう。

 すでに発表されている実写映画からは、2023年公開の『リトル・マーメイド』と『白雪姫』の本編映像が会場で解禁。登壇した白雪姫役レイチェル・ゼグラーいわく、実写版ではアニメ映画からの楽曲のほか新曲も歌われるという。そんな『白雪姫』のプレビュー映像が流れたときには、ガル・ガドット演じる悪の女王が映った瞬間に会場からは歓声があがった。そして、『リトル・マーメイド』からはアリエル役のハリー・ベイリーの歌唱シーンが公開。黒人の彼女の起用には賛否両論あったが、アンチの声をかき消すような美しい歌声で、キャスティングを納得させるものだった。

 今年のビッグアナウンスとなったのが、2024年公開予定の『ムファサ:ザ・ライオン・キング(Mufasa: The Lion King/原題)』の制作。2019年に世界興収10億ドルを突破した『ライオン・キング』の続編ではなく、“ティモンとプンバァがムファサの物語を新しい子ライオンに伝える”という形で、ムファサが王になるまでの物語を描くオリジンストーリーになるよう。そして、2023年にディズニープラスで配信予定の『ピーター・パン&ウェンディ』からは、フック船長役のジュード・ロウが登壇。本作を通してバックストーリーを理解することで、フックというキャラクターのみならず、フックとピーターパンの知られざる関係がより知れるだろうと予告した。

 ディズニーのアトラクションを映画化した『ホーンテッド・マンション(Haunted Mansion/原題)』には、オーウェン・ウィルトンやロザリオ・ドーソンに加え、ウィノナ・ライダー、ジャレッド・レト、ジェイミー・リー・カーティスらが出演することが発表された。この豪華さからして、相当の気合の入ったホラーエンターテイメントになりそう。

 そして、ディズニープラスで配信間近の2022年秋冬の注目作品のプレゼンも会場を盛り上げた。9月30日配信でハロウィンシーズンを盛り上げるであろう映画『ホーカス・ポーカス2』と、11月24日配信の映画『魔法にかけられて』続編からは新たな予告編が公開。後者はキャストも登壇したのだが、その時のコミカルな掛け合いを見ていたら、本作のファミリーコメディとしてのレベルの高いへの期待値が上がった。

ピクサーの新作

 2019年の『トイ・ストーリー4』が世界興収10億ドルという大台を記録してからは、アジア系のレプリゼンテーションが高く評価された『私ときどきレッサーパンダ』や『トイ・ストーリー』のスピンオフ作品である『バズ・ライトイヤー』などの話題作を世に贈りだしてきたものの、コロナ禍もあり興行収入面ではここ数年はややスピードダウン気味。

 そんなピクサーがこれから新たな大波を起こす予感がする。2023年6月公開の映画『エレメンタル(原題)』は、火、水、土、空気が共存する都市が舞台。今回は、主人公である熱血漢な女性と、流れに身を任せる男性のファーストルックが公開。まったく違うようで実は共通点が多いということを発見する、ピクサーらしい温かみと学びにあふれた作品になるよう。

 2024年には、春に『エリオ(Elio/原題)』夏に『インサイド・ヘッド2(Inside Out 2/原題)』が公開される。『エリオ』は、地球大使と間違われた少年の銀河系を飛び越えた旅を描くSFアドベンチャー・コメディだという。『インサイド・ヘッド2』は2015年の大ヒット映画『インサイド・ヘッド』の続編。2作目ではライリーが10代に。ジョイをはじめとしたおなじみの感情が再び登場するほか、まだ確認されていない新しい感情が導入される予定だそう。

 テレビシリーズでは、中学校のソフトボールチームの優勝決定戦までの1週間をエピソードごとに異なるキャラクターの視点から語るシリーズ『ウィン・オア・ルーズ(Win OR Lose/原題)』が2023にディズニープラスで配信される。

ディズニーのアニメ作品

 2022年11月23日には、ディズニー史上最も“奇妙な”世界を舞台に親子3世代の壮大な冒険を描いた『ストレンジ・ワールド/もうひとつの世界』の公開が控えているウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオは、2021年の『ミラベルと魔法だらけの家』が収益・評価の両面で大成功を収めたのが記憶に新しい。本作は、劇場公開だけで2.6億ドルを稼ぎ、その後のディズニープラスでの配信も大ヒット。アカデミー賞3部門にノミネートされたほか、サントラが英コンピレーションチャート1位を獲得し、2022年のグラミー賞ではキャストたちが挿入歌をパフォーマンスして大きな話題となった。

 『ミラベルと魔法だらけの家』では南米コロンビア、『ストレンジ・ワールド/もうひとつの世界』では“ストレンジ”な世界を舞台としたが、新作ではナイジェリアのラゴスへ。2023年にディズニープラスで配信されるテレビシリーズ『イワジュ(Iwájú/原題)』では、近未来の都市を舞台にトラとコレという親友の青春物語が描かれる本作は「ラゴス、そしてナイジェリアへのラブレター」のような作品になるそうで、近年、多様なストーリーを描くことにこだわるディズニーの姿勢が強くみられる発表だった。

 そしてトリを飾ったのが、新作ミュージカル映画『ウィッシュ(Wish/原題)』。ディズニー創立100周年を迎える2023年に公開される本作は、自分の王国に迫る闇を知り星に願いをたくす17歳のアーシャが主人公。「イースターエッグ(※作品に隠されたメッセージやヒント)を新しいレベルに引き上げる」と断言されたので、ディズニー好きにはたまらない“祝・ディズニー”な作品になる予感。最後に主演アリアナ・デボーズが登場してジュリア・マイケルズが担当する音楽を披露すると、会場は大興奮。大盛り上がりでの幕となった。

 3日間におよぶ「D23 Expo」2日目となる明日は、マーベル、ルーカスフィルム、20世紀フォックス、ディズニー・ブランデッド・テレビジョンによるスタジオ・ショーケースが控えている。(フロントロウ編集部)

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