目の健康をサポートするサプリメントに注目
パソコンやスマートフォンの普及により目を酷使することが多くなった現代人。ここ数年においては、新型コロナウイルスによる外出制限やテレワークの影響で、さらにデジタル機器の画面などを見る時間が長くなり、目の疲れを実感する人が増えている。
こういった目の使い過ぎによって、目だけでなく全身に疲れを感じる状態を「眼精疲労」と呼び、目がかすむ、目が重い、ショボショボするなどの他にも、ひどくなると頭痛や肩こり、吐き気、めまいなどが起きる場合もある。
そんな目の健康が気になる現代社会で、いま大きな注目を集めているのは、目の調子を整えてくれる「アイケア用のサプリメント」。
とくに近年は、ルテインやアントシアニン、ゼアキサンチンなど、目の健康をサポートする成分が続々と登場しており、海外でも話題となっている。今回は、これらのアイケアサプリに含まれる成分の特徴や効果、おすすめの摂り方などを解説。
ルテイン
ルテイン(Lutein)とは、カロテノイドと呼ばれる天然色素の一種。ほうれん草、にんじん、かぼちゃなどの緑黄色野菜に多く含まれているほか、目の中の水晶体や黄斑部などにも存在している。
米Healthlineによると、ルテインには太陽から放射される紫外線やブルーライトを吸収する働きがあり、加齢黄斑変性や白内障など、加齢にともなう目の不調を予防する効果も期待できるそう。
実際に米Frost & Sullivanの市場調査によると、10mgのルティンと2mgのゼアキサンチンを毎日摂取することで、ヨーロッパでは、加齢性黄斑変性症(AMD)による医療費を合計で62億ユーロも節減できたと報告している。
目の健康のためにルテインを摂りたい場合は、まずは緑黄色野菜や卵の黄身など、普段の食事から摂取すること大切。より十分な量を継続して撮り続けたい場合は、ルテイン配合のサプリメントに頼るのもアリ。
ゼアキサンチン
ゼアキサンチン(Zeaxanthin)とは、ルテインと同じくカロテノイドと呼ばれる天然色素の一種。ルテインは黄色の色素に対し、ゼアキサンチンはルテインよりも赤みを帯びているのが特徴。ルテインのように紫外線やブルーライトを吸収する働きがあり、加齢黄斑変性症の予防にも一役買っている。
また、2014年に発表されたGLARE2研究※1の結果よると、黄斑色素であるルテイン10mgおよびゼアキサンチン2mgを継続的に摂取することにより、黄斑部の色素密度が増加し、コントラスト感度が改善したとも報告されている。
ちなみにゼアキサンチンは、パプリカやほうれん草、とうもろこし、クコの実、パパイヤ、スピルリナなどに多く含まれている。食事から摂りにくい場合は、サプリメントを活用するのもおすすめ。
※1 米ジョージア大学のビジョンサイエンス&ヒューマンバイオファクターラボで行われたHammond等の研究論文。
アントシアニン
アントシアニン(Anthocyanin)とは、ブルーベリー、ナス、サツマイモの皮、ワインなどに含まれるポリフェノールの一種で、青紫色の天然色素。ルテインやゼアキサンチンと同じく抗酸化作用があり、目の健康をサポートする働きや、眼精疲労を予防する効果が期待できる。
また米Healthlineいわく、アントシアニンには、目の中の網膜にあるロドプシンという物質の再合成を助ける作用があり、くっきりと物を認識する“見る力”をサポートする働きもあるそう。ブルーベリーやナスなどをそのまま食べるのもいいけれど、ドリンクやサプリメントなども組み合わせると、より継続的に摂取しやすい。
ビタミンA
ビタミンA(Vitamin A)とは、レチノール、レチナール、レチノイン酸の総称で、脂溶性ビタミンの一種。野菜などに含まれるベータカロテンを摂取すると、小腸上皮細胞でビタミンAに変換されることでも知られる。
ビタミンAは、レバー、牛乳、ニンジン、サツマイモ、ほうれん草、カボチャなどの食品に多く含まれており、アメリカ眼科学会で目と全身の健康に良いと認められているビタミンのひとつ。目の粘膜を強くし、目の疲れや乾燥を防ぐ働きが期待できる。
ほかにも米Healthlineによると、ビタミンAが欠乏すると、うす暗いところで物が見えにくくなる(夜盲症)になることがあるため、食事またはサプリメントなどで意識的に摂取するよう呼びかけている。
もはや私たちの日常から切っても切り離せないスマホやパソコン。目の健康を保つためにも、普段の食事やサプリメントから目に良い成分を積極的に取り入れてみては。(フロントロウ編集部)