『僕の巡査』で、女性と男性の恋人を持つ警官を演じたハリー・スタイルズが、撮影で感じたこととは?(フロントロウ編集部)

ハリー・スタイルズ、恋愛の三角関係を考える

 ミュージシャンであり俳優のハリー・スタイルズが、Amazonプライム・ビデオによる映画『僕の巡査』に主演。同性愛が違法だった1950年代イギリスを舞台に、男性と情熱的な恋に落ちる様を演じた。

 イギリスの海辺の街ブライトンに暮らす警官のトムは、教師のマリオンと円満な家庭を築いていたが、彼女だけでなく世界に秘密にしていることがあった。彼は、ブライトンに引っ越してきた博物館キュレーターであるパトリックと恋に落ちていた。トムはマリオン、パトリックとの交際を続けるが、次第に嫉妬によって関係は崩れていく。そして舞台は1990年代に…。3人に待ち受けることとは?

 本作でハリーは、自身のセクシャリティを周囲に明かしていないが、パトリックと恋愛を続けるトムを演じた。自身のキャラクターについて彼は、トロント国際映画祭でこう分析している。

 「彼は好奇心旺盛だと思います。彼は非常に小さな世界のなかで生まれて、そういった環境に生まれると、世界を知っているように思えてしまう。物語を通して、彼は少しずつ、ブライトン以上の世界があると気がつき始める。そういった非常に小さな世界で一生を過ごすと…、もしあなたがその中で生まれ育ち、周囲の人や、その前の世代、親なども全員その小さな世界で生きてきたとしたら、それ以外の世界を描くことすら非常に難しいですよね」

 小さな世界にいると、その世界がどれだけ小さなものかは分かりづらい。ハリー自身、ブライトンよりも小さなイギリスの街レディッチの出身なので、その生い立ちがトムを理解するのに役立ったよう。そして、そんなトムがパトリックに惹かれていった理由を、ハリーはこう考えている。

 「なので、世界各国を巡り、アートが好きなパトリックのような人に会った時、彼はそれらのことに好奇心旺盛になると思います。彼の好奇心は刺激されるし、彼が好奇心を持つこと自体が新しい経験です。そしてマリオンは、究極的には自分を最も受け入れてくれる友人だと分かる。それこそが、2人の関係がどこにあろうと、その関係が驚くほどにリアルで、愛に溢れ、そして優しい理由ではないでしょうか」

画像: トロント国際映画祭でのハリー、エマ、デビッド。

トロント国際映画祭でのハリー、エマ、デビッド。

 トムとパトリックの恋愛は、別の世界を知る2人が恋に落ちるという普遍的なもの。そして1つの恋愛が、別の恋愛に波乱を巻き起こすのもよくあること。性別に関係なく、恋愛にはいつだって波乱がつきものだが、映画では時代のせいでそれはより一層混乱していく。

 ハリー、マリオン役のエマ・コリン、パトリック役のデビッド・ドーソンが表現した普遍的な物語は、多くの人の心に訴えかけるものがあるはず。

(フロントロウ編集部)

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