フロントロウ編集部のYが次に読みたいのは、アヌシェイ・フセインによるノンフィクション『「女の痛み」はなぜ無視されるのか?』。(フロントロウ編集部)
画像1: 『「女の痛み」はなぜ無視されるのか?』女性軽視は医療でも存在する【ツギコレ】

 「『女性は自分の健康や身体について決めることができない』と、いまだに世間が思い込んでいる」。

 女性はすぐに騒ぐ、ヒステリックなだけ、というような偏見を無意識にでも持っている人は少なくないのではないでしょうか。しかしむしろ、痛いと喚かなければ取り合ってもらえないほど、この社会で女性の痛みは無視されている可能性は? また、女性は痛みに強いから出産も大丈夫、むしろ痛みを経験すべきなど、女性が経験する痛みに対する言説は矛盾したものが多いのも事実。

 『「女の痛み」はなぜ無視されるのか?』は、著者のアヌシェイ・フセインが出産の際に死にかけた経験から執筆されたものです。医療における女性軽視に触れた本は、キャロライン・ペレスによる『存在しない女たち』も有名ですが、フセイン氏は有色人種であるため、女性という大きな括りからだけでなく、有色人種の女性という視点から医療療ケアにおける性差別や人種差別に切り込んだことも、この本の功績の1つ。また、コロナ禍で女性、マイノリティの人々が受けた影響も考察されています。

 女の痛みが無視されているのは、日本でも同じです。様々な側面から社会における女性差別を理解するために、ぜひ読んでおきたい一冊です。

画像2: 『「女の痛み」はなぜ無視されるのか?』女性軽視は医療でも存在する【ツギコレ】

 『「女の痛み」はなぜ無視されるのか?』
アヌシェイ・フセイン 著 堀越英美 訳 2022年10月12日発売予定

(フロントロウ編集部)

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