2023年1月に出版されることが決まったヘンリー王子の回顧録のタイトルの「意味」がなんだか切ない。(フロントロウ編集部)

ヘンリー王子の回顧録のタイトルは『Spare(スペア)』

 イギリス王室のチャールズ国王の次男で、2020年3月をもって高位王族の座を退いたヘンリー王子が半生をつづった回顧録『Spare(スペア)』が2023年1月10日に出版されることが明らかになった。

 ちなみに、世間の人たちが思っている以上に、この本のタイトルはヘンリー王子と彼の前の世代の王室の次男にとって重い意味を持つ。

 本のタイトルである「Spare(スペア)」は、説明するまでもないが「予備」「代わり」という意味。古くから、君主とその兄弟は「継承者とそのスペア」と表現されてきた。ヘンリー王子には将来君主になることが約束されている兄のウィリアム皇太子がおり、兄弟関係においても、王位継承順位においても2番手の立場にある。

画像: ヘンリー王子の回顧録のタイトルは『Spare(スペア)』

 継承者と違って「スペア」には自由がある一方、長子のように明確な役割がない複雑な存在でもある。そして、長子に子どもが生まれたら、その重要性と影響力は継承順位とともに低下していく。実際、ウィリアム皇太子と妻のキャサリン妃のあいだに、長男のジョージ王子、長女のシャーロット王女、次男のルイ王子という3人の子どもが生まれたことで、かつて3位だったヘンリー王子の王位継承順位は5位に下がった。

 ヘンリー王子は、2016年に英The Sunday Timesのインタビューで、「私は特権的な立場にあります。私がつまらない存在になるまで、あるいはジョージがより興味深い存在になるまで、私はできるかぎりその立場を利用したいと思っています」とジョークを交えつつ、「人生に大きな変化をもたらしていた時期があったのに、突然、どんな理由であれ、自分の存在が消えてしまうことほどつらいことはありません」と、ジョージ王子が成人したときに自身を取り巻く状況が変化することへの不安を語っていた。

 なお、出版社のプレスリリースでは、『Spare(スペア)』でヘンリー王子とウィリアム皇太子や王室との関係を取り上げるとは書かれていないが、タイトルにちなんだエピソードが含まれているものと思われる。(フロントロウ編集部)

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