マクドナルドの冷凍庫に入れられたものとは?(フロントロウ編集部)

マクドナルドから警察に緊急連絡、その理由とは?

 アメリカのルイジアナ州ニューオーリンズで緊急電話番号911の通信司令官として勤務するテリーは、その職で24年のキャリアを持つベテラン。そんな彼女は、先月10月の下旬に、市内のマクドナルドから通報を受けた。

 状況を把握するため、どのマクドナルドの店舗から連絡をしているのかと聞いた彼女の耳に、電話口から聞きなれた声でこんな声が聞こえてきた。「私だよ、テニア…。クレイボーンの…。ママ、助けて!」

 なんと、電話をしてきたのはテリーの娘であるテニア! 娘の通報を勤務中の母親が取るというのは非常に珍しいことだが、この時はそんな偶然を喜んでいる暇はなかった。というのも、16歳のテニアが働くマクドナルドの店舗に拳銃を持った強盗が押し入っていたのだ。「ママ。お願い、早く。犯人は銃を持ってる」とうろたえる娘に、母は落ち着いたまま、「急ぐから、詳細を教えて」と話す。娘が別の場所で拳銃を向けられている。そんな状況は親にとって悪夢でしかないが、テリーはさらに恐怖の事実を知る。強盗はテニアや他の従業員をまとめて、冷凍庫に入らせていたのだ。米WDSUのインタビューで、テリーは当時の状況についてこう振り返った。

 「私の心を壊したのは、自分の子どもが“私たちは冷凍庫にいる”と言った時です。電話応対中に、涙が流れてきました。しかし自分の職務を全うしようと努力し、自分に出来るかぎり最良のパフォーマンスで仕事をしました」

 手に汗握る状況で、テリーが出来るのは迅速に対応すること。そしてその後、無事にテニアたちは冷凍庫から救出! テニアはインタビューで、「自分の母親に、末っ子を葬らせたくありませんでした。私は人生を失うところだった。しかし母が救ってくれました」と、感動の思いを語った。

 テリーが勤務する通信区のエグゼクティブディレクターは、「テリーのクローンを作れるなら、作りますよ」としたうえで、米CNNにこうコメントしている。「テリー・クラークは、ニューオーリンズやアメリカ国内の911のヒーローたちが毎日何をしているかを示す輝かしい例です。私たちは情熱、目的、そしてプロ意識を持って、すべての電話に応対しています。電話の相手が自分の家族であったとしてもです」。

(フロントロウ編集部)

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