ドラマ『フルハウス』のDJ役で知られる俳優のキャンディス・キャメロン・ブレが、自身がチーフ・クリエイティブ・オフィサーを務めるケーブルテレビチャンネルでは「伝統的な家族」に焦点を当てた作品を制作すると発言して炎上。(フロントロウ編集部)

キャンディス・キャメロン・ブレの発言が炎上

 ドラマ『フルハウス』とその続編『フラーハウス』のDJ役でおなじみの俳優キャンディス・キャメロン・ブレが、自身がチーフ・クリエイティブ・オフィサーを務めるケーブルテレビネットワーク「Great American Family」では、父と母、子どもがいるという「伝統的な家族」に焦点を当てた作品を制作するつもりだと、米The Wall Street Journalのインタビューで発言して波紋を呼んでいる。

 キャンディスは、アメリカの有料テレビケーブルチャンネル「Hallmark Channel」の作品に長年出演してきたことで知られるが、今年4月、Hallmarkを離れて、同社の元CEOであるビル・アボット氏が新たに立ち上げたGreat American Family(以下GAF)と一緒に仕事をすることを発表した。GAF は「信仰と家族」のネットワークであることを売りにしていて、キャンディスも自身の信仰をGAF への移籍理由のひとつとして挙げている。

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 インタビューでは、いわば“古巣”であるHallmarkが、12月に同性カップルを主人公にした作品『The Holiday Sitter(原題)』の放送を予定していることから、The Wall Street Journalの記者に「Great American FamilyでもLGBTQ+の物語を取り上げるのか?」と質問されたキャンディスは、「いいえ」と否定すると、「Great American Familyは“伝統的な家族”に焦点を当てていくことになると思います」と、父がいて、母がいて、子どもがいるという家族をネットワークの中核に置くと答えた。

 The Wall Street Journalいわく、LGBTQ+の物語を取り上げることについては「曖昧」だったというアボット氏は、「今は2022年ですから、世間の傾向も意識しています。『はい。こうしましょう』『いいえ。これは絶対にやりません』といったことが書かれたホワイトボード(=明確なプラン)があるわけではありません」とキャンディスの発言を訂正こそしたが、時すでに遅し。LGBTQ+を含む特定の家族を排除するような「伝統的な家族」というキャンディスのこの発言は瞬く間に拡散され、批判を浴びることに。

ジョジョ・シワやGLAADが批判

 今回のキャンディスの発言を受けて、LGBTQ+の権利擁護団体のGLAADの代表を務めるサラ・ケイト・エリス氏は、「キャンディス・キャメロン・ブレが“伝統”を排除のための口実に使うのは無責任で有害です。私はブレ氏と、私の妻、私たちの子ども、そして私たち家族の“伝統”について話をしたいと思います。ブレ氏は、LGBTQのカップルや家族は愛と可視性に値すると知っているLGBTQの信仰者を含む、大多数の信仰者と同期していません。会社のチーフ・クリエイティブ・オフィサーでもある彼女の発言は、LGBTQの社員や、LGBTQの友人や家族を持つ社員にとって有害であり、侮辱的なものです。LGBTQカップルを意図的に排除することがGreat American Familyの計画なのであれば、(一緒に仕事をする)俳優や広告主、ケーブルおよびストリーミングプラットフォーム、制作会社は、LGBTQ+の排除を価値観のひとつとするネットワークと関わりたいかどうかを真剣に検討する必要があります」と非難する声明を発表。

 また、ドラマ『ワン・ツリー・ヒル』のヒラリー・バートンは、「偏見。イエス(・キリスト)はキャンディー( ※キャンディスのこと)のような偽善者は好まなかったと思います。まあいいけど。儲ければいいよ。偏見というその波に乗ったまま銀行へと一直線」とツイート。

 さらに、自身もLGBTQ+コミュニティの一員で、以前、キャンディスとひと悶着あった“ティーンのカリスマ”ことジョジョ・シワも、「数ヵ月前に(自分とのあいだに)色々とあったばかりなのに、LGBTQIA+を意図的に排除した映画を作るというだけでなく、マスコミにそのことを話すなんて信じられません。これは、コミュニティ全体に対して失礼であり、傷つくことです」とインスタグラムを通じて批判した。

 ちなみに、ドラマ『フルハウス』とその続編『フラーハウス』でキャンディスと共演するジョディ・スウィーティンは、ジョジョのこの投稿に「知ってると思うけどあなたのことが大好き」というコメントを残し、ジョジョの意見に賛同する姿勢を見せている。(フロントロウ編集部)

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