サム・ワーシントン、ジェームズ・ボンドになれなかった理由
6代目ジェームズ・ボンドであるダニエル・クレイグが引退し、7代目に誰が抜擢されるのかが注目されている映画『007』シリーズ。若めの俳優になるとウワサされているが、それは6代目の時も同じだった。
5代目であるピアース・ブロスナンの最終作『007 ダイ・アナザー・デイ』の後、次のボンドを探し始めたプロデューサーたち。その候補者には、映画『アバター』のサム・ワーシントンや、DCEUのスーパーマンであるヘンリー・カヴィル、ドラマ『ER緊急救命室』のゴラン・ヴィシュニックらが残っていた。
サムは、プロデューサーであるバーバラ・ブロッコリも気に入っていたようで、スクリーンテストの前には、彼女がサムの髪を切り、彼女が考えるボンドの雰囲気に合わせたほどだったそう。しかし彼は、そのスクリーンテストで残念ながら落選。サムはその理由を、米Varietyのインタビューでこう分析した。
「ボンドを殺し屋として演じることは出来ました。しかし、どうしても紳士さを出せなかった。あのスーツは僕には合わなかった。自分が何をやっているか分かりませんでした」
殺し屋を描くスパイ映画は、世界中に多く存在する。しかし『007』シリーズが世界的人気を誇るフランチャイズとなっている要因の1つには、殺し屋でありながらエレガントであるということがあるはず。メンズスーツといえばイギリスが誇る文化の1つで、スーツをエレガントに着こなすジェームズ・ボンドの姿が映画のイメージを作っている。
殺し屋を演じられるだけでは十分ではない。ジェームズ・ボンドが世界的人気キャラクターでいるのには、奥深い要素があった。
とはいえ、サムは『007 カジノ・ロワイヤル』の3年後に『アバター』で主演し、今年、13年ぶりに『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』にもメインキャストとして出演。『タイタンの戦い』や『ザ・ボディガード』、『タイタン』といったアクション映画でも主演を務めてきており、自分に合った作品に恵まれた。
(フロントロウ編集部)