2022年のスキンケアトレンドをプロが予想
新型コロナウイルスの流行から4年目となる2023年。スキンケア面では、2022年に引き続きマスクの長時間着用による「乾燥」や「肌トラブル」を予防するアイテムが注目を集めるなか、マイクロバイオームやメノテック、最新の小型美顔器など新しいトレンドも続々と誕生している。
そこで、今回は海外のスキンケアの専門家たちが2023年にトレンド入りが予想される最新スキンケアを解説。新しいスキンケア製品を買うときの参考にしてみて!
1.肌の「美肌菌」に特化したスキンケア製品が増える
善玉菌を積極的に食事から取り入れる「菌活」がブームのなか、2023年は肌表面の「美肌菌」のバランスを整えて美肌に導く「マイクロバイオーム」に着目したスキンケア製品が増えると専門家たちは予想。
マイクロバイオームとは、人の体に存在する微生物、いわゆる「常在菌」のこと。これらの皮膚常在菌のバランスを整えることで、乾燥、赤み、ニキビなどの肌トラブルが軽減されるという研究結果が出ており、皮膚科専門医のダスティン・ポーテラ医師は、「これは急速に進化している医学分野です。まだ正確ではありませんが、こういった製品を継続的に使うことで、肌質の改善が見られています」と回答。
今後、肌のマイクロバイオームをサポートする成分「プレバイオティクス」および「プロバイオティクス」を配合したスキンケアの人気が加速するだろうと語っている。
2.更年期の肌トラブルに着目した「メノテック」
生理をはじめとした女性が抱える悩みをテクノロジーで解決する「フェムテック(FemTech)」が注目を集めるなか、スキンケア面では更年期や閉経後の肌トラブルに着目にした「メノテック(MenoTech)」がトレンドの兆し。
メノテックとは、更年期や閉経を意味するメノポーズ(menopause)とテクノロジーをかけ合わせた造語で、閉経前後の各5年ほどを指す更年期を快適に過ごすためのテクノロジーのこと。とくに更年期は肌の弾力を保つコラーゲンや水分量の減少、女性ホルモンの乱れが原因とされる肝斑など、肌トラブルが増えることもあり、更年期に特化したスキンケア製品の需要が高まっているそう。
実際に「メノテック」に着目したスキンケアブランドが増えており、2022年には俳優のナオミ・ワッツが、更年期の肌トラブルに特化したスキンケアブランド「Stripe(ストライプ)」を立ち上げ。海外の大手ビューティブランドからは「VICY」や「No.7 Beauty」など新ブランドが続々と登場。今後ますます発展するとされている。
3.美顔器の「小型化」が進む
Airpodsやスマートフォンと同じように、家庭用美顔器も年を追うごとにスマートで効率的になっており、とくに海外では美顔器の「小型化」が加速している。
なかでも2022年に爆発的にヒットしたのは、SolaWaveの美顔器「SolaWave Wand」。T字型のカミソリのようなコンパクトな美顔器で、ボタンも省いたかなりシンプルな形状でありながら、マイクロカレント、レッドライトセラピー、フェイシャルマッサージ、ヒート機能という4つの技術を搭載。1台で様々な機能をこなしてくれる。
ハイテクな美容機器を提供するDermaflash(ダーマフラッシュ)からは、小型ダーマプレーニングデバイス「Dermaflash Luxe+」が登場。画期的なダーマプレーニングトリートメントと優れたエクスフォリエーション技術で毛穴の汚れを取り除き、つるんとなめらかな肌を実現。
ほかにも、Therabody(セラボディ)からは、Theragun(セラガン)シリーズで培ったパーカッシブセラピー(振動×圧力×深さ)の技術をデリケートな顔・首・デコルテに最適化したフェイシャルデバイス「TheraFace PRO(セラフェイス プロ)」がお目見え。
肌に心地良い微細な振動と圧力を加え、表情筋に効果的にアプローチするだけでなく、 豊富なアタッチメントを取り付ければ、年齢肌やニキビなどの肌トラブルのケアも可能。表情筋と肌に対するオールインワンケアで、本来の表情を取り戻す。
4.「皮膚科医」監修のスキンケア製品が増える
セレブやメイクアップアーティスト監修のビューティブランドが誕生するなか、2023年は美肌のエキスパートである「皮膚科医」が監修したスキンケアブランドが増えるとプロは予想。
その背景にあるのがSNSの存在。TikTokなどでインフルエンサーとして活動する皮膚科医が増えたことにより、自身のスキンケアブランドを立ち上げる人が急増。実際にTikTokで40万人のフォロワー数を誇る皮膚科専門医のシェリーン・イドリス医師は、2022年9月に「Pillow Talk Derm(ピロートークダーム)」を創業。シミ、しわ、色素沈着に特化したスキンケア製品を3種類展開し、いずれも発売後すぐに完売。
また、ニューヨーク市の皮膚科専門医であるローズ・イングルトン医師も、彼女の故郷であるジャマイカ原産の抗酸化物質を豊富に含む7種類のフルーツエキスを配合した「スーパーフルーツブライトニングクレンザー」を発売。その人気は凄まじく、米セフォラ(Sephora)で一時期完売していたほか、米Allureの2022年ベスト・オブ・ビューティーアワードを受賞するほど。今後も皮膚科医監修のスキンケアブランドが台頭すると予想される。
新型コロナウイルスの流行が収束し、徐々に日常が戻りつつある昨今。まだまだメイクよりスキンケアに投資する日々は続きそう。(フロントロウ編集部)