『タイタニック』でアカデミー賞を受賞したジェームズ・キャメロン監督が、失敗から学んだこととは?(フロントロウ編集部)

ジェームズ・キャメロン、大舞台で“スベった”

 レオナルド・ディカプリオケイト・ウィンスレットが主演を務め、当時の歴代興行成績第1位となる世界的大ヒットを記録した映画『タイタニック』。1997年に公開され、1998年の第70回アカデミー賞で11部門受賞を果たしたが、ジェームズ・キャメロン監督による監督賞の受賞スピーチが“残念”だと言われていることをご存知だろうか。

 語り継がれているのはスピーチすべてではなく、その“締め”。監督はスピーチの最後に、レオナルドが演じたジャックのセリフを引用し、「母さん、父さん。私がこの瞬間に感じていることを2人に説明できません。心が爆発しそうです。でもこれだけは言えます。『俺が世界の王だ!』」と話した。

 これが、スベった! 使い方や言い方によっては効果的だったと思えるし、会場からは少しの笑い声も聞こえたが、会場にはなんとなくシラけた雰囲気が漂ってしまい、監督から傲慢な態度を感じた人もいたそう。米トーク番組『Who's Talking To Chris Wallace?』で自分のスピーチを振り返った監督は、映画本編でジャックが最も喜びに溢れるシーンは船の先端に立った時であり、その喜びを用いて自分の受賞の喜びも表現したかったと話す。とはいえ、失敗だったと理解しているようで、こんな思いも語った。

 「私が学んだのは、もしアカデミー賞を受賞しても、自分の映画のセリフは引用しないということ。ダサイのでね。僅差で勝ったわけではなく、あの夜にコダックシアターにいたすべての人が『タイタニック』を見て、大好きだったと仮定していたことになる。私たちがどのくらいの差で勝ったのかは分からないけど、圧倒的ではなかった可能性もある」

 あの大舞台でスベるのは誰であっても心に傷を負う。彼は、この出来事についてのセルフヘルプグループを俳優のサリー・フィールドと一緒に作ったというジョークも話した。

(フロントロウ編集部)

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