リナ・サワヤマが初となるジャパンツアーを開催。エンパワーメントに満ちていた最終日の東京公演の模様をレポート。(フロントロウ編集部)

そこかしこで見つけることができたレインボーアイテム

 「あなたと一緒ならこの地獄もマシ/私たちは一緒に燃える」。リナ・サワヤマは最新アルバム『ホールド・ザ・ガール』からのファーストシングル「This Hell」でそう歌う。リナが同作を引っ下げて行なった初のジャパンツアーの最終日として1月20日に東京ガーデンシアターで行なった公演を観ながら感じたのは、“リナと一緒ならここが地獄でもほんの少しはマシかもしれない”という、一筋の希望のような感情だった。

画像: そこかしこで見つけることができたレインボーアイテム

 ファンが音楽ライブに足を運ぶのは、必ずしも生で歌唱を聴きに行くことだけが目的ではない。そこに楽しいエンターテイメントを求める人もいるだろうし、ある人は日々の人生で疲弊した心を癒すことを求め、またある人は日常では見つけることが難しい、自分らしくあれるセーフスペースやコミュニティをそこに求めに行く。この日の東京ガーデンシアターでは、レインボーアイテムを身につけたオーディエンスをそこかしこに見つけることができたが、日本で行なわれる1人のヘッドライン公演でこれほどレインボーな光景が広がっているというのは過去のライブでは記憶がない。日本での初ライブとなった昨年のサマーソニックのステージからもう一段階ギアが上がっていたパフォーマンスはもちろん、東京ガーデンシアターに広がっていたそうしたレインボーな光景や、「癒されて帰ってください」と語ったリナのMCを踏まえれば、この日の彼女は、ファンがライブに求めるあらゆる期待のすべてに応えていたように思う。

 開演前に会場に流れていたBGMもインクルーシブなもので、ゲイであることを公言しているオリー・アレクサンダー率いるイヤーズ&イヤーズの楽曲などが会場を包んでいた。開演の予定時間を10分ほど過ぎた頃に客電が落ちると、最近のライブではすっかり定番の衣装となっている、デニムのセットアップにカウボーイハットを合わせた衣装をまとったリナがオーディエンスの前に登場した。

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