デリバリー配達員を専業でやってみた
カナダ西部で2022年の1年間をフードデリバリーサービスの配達員として専業で働いてみたという人物が、米掲示板サイトRedditに経験を投稿した。cancan_tucanというユーザーネームの人物は、「仕事で運転することは本当に楽しい」と綴り、業務内容にストレスはなかったと明かす。しかし問題は、賃金だった。
投稿主はフードデリバリーサービスのDoordash とウーバーイーツの2つで勤務していたそう。Doordashでは1年間で1,703.18カナダドル、ウーバーイーツでは22,982.73カナダドルを稼ぎ、合計は24,685.91(約240万円)となった。ちなみに、45%はチップからの収入だという。
しかしこの人物によると、ガスやメンテナンスなどで、年間10,606.60カナダドル(約100万円)がかかったそうで、それを全体から引くと14,079.31カナダドル(約140万円)に。
時給は25カナダドル(約2,400円)で、メンテナンス費を引いた場合は時給14.25ドル(約1,400円)になる。
投稿主が住む場所の最低賃金は15カナダドル(約1,500円)だそうだが、メンテナンス費を差し引いた場合に時給が14.25ドルになるため、投稿主は、「自分の稼ぎは高校生の夏のバイトよりも少ない」とコメント。「改善されるべき時だ」と話した。
メンテナンス費を引く前は時給25カナダドルであるため、高校生の時給よりも少ないという主張は適切ではないかもしれないが、アメリカやカナダでは配達員が車を使うことが非常に多いというのはポイント。必然的に投稿主のようにメンテナンス費がかさむ人は多く、それを考慮した料金設定ではあるべきだろう。
この投稿には「こっちも同じ」「多くのお金を失くしているというのは感じてたけど、明確な数に衝撃」といったものから、「50年前は夏に最低賃金で働いて、車を買うことができたからクレイジーな感じ。現代では同じ仕事をフルタイムで働いていたら、生き延びれて幸運」といった指摘の声が寄せられていた。
また、ウーバーイーツ配達員が集うスレッドの別の投稿では、2022年暮れから同じ時間だけ働いても収入が減るという現象が起きているという報告もあった。注文数が減っているのか、取り分が減っているのかなど、原因については触れられておらず不明だが、コメント欄には他の配達員たちからも同じ経験をしているという書き込みが寄せられていた。
ウーバーイーツ配達員は、単発で仕事を行なう人であるギグワーカーに属する。国によって異なるが、ギグワーカーには最低賃金や失業手当などが適用されないことが多く、労働者の搾取に繋がっているとして議論が進められている。過去には、配達員として働く人物が家賃が払えなくなり、食事も買えず、ホームレスになるしかないと号泣しながら話す動画が拡散され、問題となった。
(フロントロウ編集部)