第65回グラミー賞でサム・スミスとキム・ペトラスの「Unholy」が最優秀ポップ・パフォーマンス(グループ)を受賞。キムはトランスジェンダー女性として史上初めて同賞を受賞した女性となった。(フロントロウ編集部)

サム・スミスとキム・ペトラスが「Unholy」でグラミー賞を受賞

 日本時間2月6日に行なわれている第65回グラミー賞授賞式で、サム・スミスとキム・ペトラスの「Unholy」が最優秀ポップ・パフォーマンス(グループ)を受賞した。同曲はサムが先月リリースした最新アルバム『グロリア』に収録されている楽曲で、今回、ABBAの「Don’t Shut Me Down」、カミラ・カベロ feat. エド・シーランのBam Bam、コールドプレイ&BTSの「My Universe」、ポスト・マローン&ドージャ・キャットの「I Like You (A Happier Song)」をしのいでの受賞となった。

画像1: サム・スミスとキム・ペトラスが「Unholy」でグラミー賞を受賞

 ノンバイナリーであるサムとトランスジェンダーであるキムがコラボした同曲は、クィアのアーティスト同士がコラボした楽曲として米Billboardの全米シングルチャートで初めて首位を獲得するという歴史を打ち立てていたが、今回、キムがトランスジェンダー女性として初めて最優秀ポップ・パフォーマンス(グループ)を受賞するという快挙も達成した。

 受賞スピーチでは、そんな歴史的な受賞を達成したキムを称えてサムがキムにスピーチを譲り、キムがスピーチを行なった。彼女は「私がこの賞を受賞する初めてのトランスジェンダー女性ということで、サムが寛大にもこの賞を私に受け取らせてくれました」とサムに感謝を伝えて、次のように続けた。

 「今夜私がここへ来られるように扉を開けてくれた、私よりも以前のすべての素晴らしいトランスジェンダーのレジェンドたちに感謝を伝えたいです」。

画像2: サム・スミスとキム・ペトラスが「Unholy」でグラミー賞を受賞

 続けて、2021年1月に34歳の若さで亡くなった、トランスジェンダーと公表していたプロデューサーのソフィーとの友情に触れて、「2年前に亡くなってしまった友人のソフィーは、これは実現するよと言ってくれて、いつだって私のことを信じてくれました。インスピレーションをありがとう、ソフィー。あなたのことが大好きですし、あなたからのインスピレーションはずっと私の音楽の中に存在し続けます」とキム。さらに、「LGBTの権利のために闘ってくれているマドンナにも心から感謝しています。マドンナがいなければ私はここにいなかったと思います」と会場にいたマドンナにも感謝を伝えた。

 「私はドイツにある何の変哲もないハイウェイのそばで育ちました。母は私が女の子だと信じてくれました。母や母からのサポートがなければ私はここにいなかったでしょう」と、自分のことをサポートしたくれた母親への感謝も伝えたキムは、「それから、この瞬間まで私のことを信じてくれた皆さんにも感謝しています。(グラミー賞を主催する)レコーディング・アカデミーにも感謝しています。これは私にとって大きな瞬間です。ありがとうサム。あなたは私の人生における天使であり、ヒーローです。愛しています。それから、この曲を作ってくれたみんなのことも心から愛しています」とスピーチを締めくくった。

(フロントロウ編集部)

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