「俺らイジメは嫌いなんだよね...」。反ドラァグショーの人々から脅迫を受けたせいであるドラァグショーが開催中止となったことを聞いたMMAファイターたちが、イベントでの警備を申し出ている。(フロントロウ編集部)

※ドラァグクイーンの写真はイメージです。

ドラァグクイーンへの偏見に「イジメは嫌いなんだよね...」

 米ペンシルベニア州を中心にドラァグショーなどを開催しているS&S Productions。2月末にはお隣の州ウェストバージニアのウィーリングでドラァグブランチ(※日中に飲食をしながらドラァグショーを楽しむイベント)を企画していたが、フェイスブックに開催中止をアナウンスし、その理由をこう投稿した。「(会場の)Primantis、エンターテイナー、そして一部のお客さまに対する脅迫が相次いだため、関係者全員の安全のためにイベントを中止することにしました」。

 反ドラァグショーの人からハラスメントを受けたようだが、この報せを聞いて立ち上がったのが、ウェストバージニア州で総合格闘技ジムOhio Valley MMAを運営するプロボクサーのジョニー・ハートという男性。フェイスブックで「俺らイジメは嫌いなんだよね...」と書いたハート氏は、「人々が自由に好きなことができるように、私と私のファイターたちが警備に立ちます」と、自分やジムのメンバーたちが無料でセキュリティを提供するとオファー。

 その後、地元のテレビ局WTRFからの取材を受けたハート氏は、「ドラァグショーは、ブロードウェイのショーやスタンダップコメディのショーと同じように不快なものではありません。要するに、両方のミックスなんです」とドラァグショーというアートパフォーマンスを支持。

 ハート氏がフェイスブックに綴ったところによると、彼の元にはその後匿名の脅迫電話がかかってきたそう。ハート氏はその内容について詳しく明かさなかったが、“お前もドラァグクイーンか”といった類のことを言われたようで、「私は素晴らしい脚とお尻をしてますが、ドラァグショーに出られるようなメイクの技術はないんですよ」と、余裕のジョークを飛ばした。

 アメリカでは保守派の政治家が過半数を占める多くの州でLGBTQ+の人々のヘルスケアや教育の機会などを奪うような法律が次々と議会に提出されており、米NBC Newsによると、その数は100を超えるという。そしてこの差別的な流れの一環として、ドラァグショーも“子どもに悪影響”だとして規制しようとする動きが出ている。(フロントロウ編集部)

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