バーガーキング、求人広告でマクドナルドに宣戦布告
ファストフード業界のライバル同士であるバーガーキングとマクドナルド。とくにバーガーキングはマクドナルドに“噛みつく”ことで知られているが、バーガーキングに貼られた求人広告が、「バーガーキングとマクドナルドのビーフ(不仲)は健在です(爆笑)」と話題を呼んでいる。
Twitterで話題になったのは、マクドナルドと道路を挟んだ場所で営業していたバーガーキングの窓に貼られていた求人広告。その内容は、「ピエロより王のために働こう。人員募集中(Work for a King, Not a Clown. We Are Hiring)」というもの。王はバーガーキングを、ピエロはマクドナルドのキャラクター「ドナルド・マクドナルド」を指しており、明らかにマクドナルドを揶揄したものだとわかる。
この「キング」と「ピエロ」を比較した揶揄はずっと前から使われており、例えば、2014年にはバーガーキングの米公式アカウントが「キングとツイッターで交流できるのに、ピエロと食事に行くような人いる?」とツイートして話題になった。この求人広告自体も以前から確認されているが、ヒップホップのニュースを主に発信し、154万人ものフォロワーを持つ「Daily Loud」のツイッターアカウントで動画がシェアされたことで、改めて両者の“バトル”が関心を集めることになった。
Burger King and McDonald’s “beef” is still alive and well �� pic.twitter.com/6bAVCuY5S7
— Daily Loud (@DailyLoud) March 7, 2023
Twitter上には、「正直に言うと…バーガーキングのほうがずっと美味い」という声も見られたが、「並んでいるのを見かけたらマクドナルドに行く」「マクドナルドがバーガーキングを一掃し、議論の余地はない」など、どちらかというとマクドナルドに味方する声が多く寄せられていた。
バーガーキングはマクドナルドをからかう常習犯
実はバーガーキングは、以前からマクドナルドをからかうような広告やキャンペーンを展開してきた歴史がある。たとえば、バーガーキングの「Whopper Detour」キャンペーンでは、アプリの所持者がマクドナルドの店舗から600フィート(約180メートル)以内に入ると、バーガーキングの看板商品である「ワッパー」を1セント(約1.3円)で購入できるクーポンが提供された。
また、他社を下げて自社を上げる、いわゆる「比較広告」があまりメジャーではない日本においても、その姿勢は変わらない。2020年1月にマクドナルド秋葉原昭和通り店が閉店した際には、感謝とねぎらいを込めたメッセージを装いつつ、文頭を縦に読むと「私たちの勝チ」となる”煽り文”を掲示して話題となった。
”対コロナ”で協力姿勢を見せたことも
業界最大手のマクドナルドに噛みつきまくる、狂犬のようなバーガーキングではあるが、飲食店が大きな打撃を受けた「コロナ禍」の発生に当たっては、業界全体のために協力姿勢を見せたこともある。
2020年11月にバーガーキングの公式アカウントが投稿した文章は、「マクドナルドに注文を(Order from Mcdonald's)」。マクドナルドを含むファストフード店やレストランに食事を注文し、飲食店を支えることを呼びかける内容だった。
ただ、コロナ禍という世界的な危機にあって、流石に矛を収めて殊勝な態度をとったバーガーキングだったが、「ワッパーがいつでも一番ですが、ビックマックを注文するのもそれほど悪くないですよ」と、マクドナルドに”ひと噛み”するのは忘れなかった。(フロントロウ編集部)