日本でも買える注目のアップサイクルファッション小物
環境に配慮した取り組みのなかでも、近年とくに増えているのがアップサイクル。廃棄される予定の素材や副産物を活用した製品がどんどん増えていて、この流れはファッションでも。
そんなアップサイクルしたファッションアイテムの中から、バッグやシューズ、ウォッチなどの小物にフォーカス。意外なものをアップサイクルして生まれたファッション小物を展開するブランドをご紹介。
【mate-mono】サッカー場の養生シートをアップサイクルしたバッグ
石川県の化学素材メーカー小松マテーレが手掛けるmate-monoは、「“もったいない”を“みたことない”にかえる」をコンセプトに、素材を「1cmでも大切にしたい」という思いを形にしたサスティナブルブランド。製造過程で出る端材を組み合わせたり、廃棄されてきた素材に新たな特性を加えたりと、素材の可能性を余すことなく引き出して生まれたバッグやカードケースを展開している。
そんなmate-monoのアップサイクルシリーズのひとつが、メッシュ素材でできた「すけるバッグ」というバッグ。この素材というのが、サッカー場に敷かれる芝生の養生シートとしてつくられた素材。
県立カシマサッカースタジアムでも使用されている芝生の養生シートとしてつくられたメッシュの余った素材を、バッグとしてアップサイクル。カラフルなデザインが可愛いだけでなく、軽量で透ける素材ながらも強度や耐久性はばっちり。
そのほかmate-monoのアップサイクルシリーズには、屋外スタジアムの観戦シートに使われる素材の余剰分を生かしたショルダーバッグやカードケースも。丈夫で軽い合成皮革素材で表面強度と耐久性に優れ、傷がつきにくい。差し色を加えたバイカラーデザインもオシャレ。
【MoEa】果物や植物をアップサイクルしたスニーカー
フランス・パリで2021年7月に設立されたスニーカーブランドMoEaが展開するのは、なんと果物や植物の廃棄物をアップサイクルしたスニーカー。アップルやパイナップル、グレープ、サボテン、コーンなどからつくられたヴィーガンレザーのスニーカーを販売。
さらにソールやインソールなど全てにリサイクル素材を使用し、動物の革を一切使っていないので世界最大の動物権利団体であるPETAのVEGAN認証も取得。ほぼ100%サステナブルなスニーカーブランドとなっている。
MoEa のスニーカーのひとつ「APPLE – WHITE」は、イタリアのおもにジュース業界から発生したリンゴの廃棄物などからつくられたヴィーガンレザーをアッパー全てに使用。リンゴの廃棄物を粉砕しペースト状になったものを植物由来の安定剤と混合し、まるで本物の革の様な素材に。
また「CACTUS- FULL GREEN」というモデルで使われているのは、メキシコのサカテカス州にある認定のオーガニックサボテン農場で生産されているサボテン由来のヴィーガンレザー。サボテンならではの強力な分子結合のおかげで耐摩耗性、摩擦、引き裂き、引っ張りに高い耐性と耐久性を誇っているという。
MoEa:https://cheyennerich.theshop.jp/categories/4354069
【octangle】ビニール傘をアップサイクルしたバッグ
年間約8,000万本消費され、その多くが半年以内で廃棄されてしまうビニール傘をアップサイクルしたバッグを展開するのは、2022年に誕生したばかりのoctangleというブランド。
octangleの「Trapezoid bag」は、台形のフォルムとカラーの持ち手が印象的なバッグ。ビニール生地の透け感をいかすため、カラフルなインナーバック等と合わせてコーディネートしてもオシャレ。
またビニール傘から生まれた傘バッグ「Portable umbrella bag」も展開。この製品は、短時間でゴミになり、雨の日にショップの前に捨てられている「使い捨てビニール傘袋」をゼロにしたいという想いから開発された製品。折り畳めるのでバッグにしのばせやすく、肩がけすることも可能。
ちなみにoctangleの製品は、製造工程における分解・洗浄・消毒から圧着・裁断・縫製・検品に至るすべての作業を日本国内の職人が手作業で行なっている。だからこそ高い品質が保たれ、長く愛用できる製品となっているという。
octangle:https://www.octangle.jp/
【AIRPAQ】自動車の廃材をアップサイクルしたバッグ
ドイツ・ケルン発のアップサイクルバッグブランドAIRPAQが展開するのは、車の廃材をアップサイクルしたバッグ。使われなくなったエアバッグやシートベルトという車の廃材を、バックパックやトートバッグ、ボディバッグに生まれ変わらせている。
AIRPAQが誕生したきっかけは、ブランドの創設者であるAdrianとMichaelが大学で出会い、授業の一環としてスクラップヤードを訪れたこと。「一度価値がなくなったもの、つまりゴミになるものを別のものに生まれ変わらせることができないか」。そう考え、車の廃材を活用するバッグブランドAIRPAQが誕生した。
たとえばブランドの看板アイテムである「バックパック」をつくるためには、車の廃材をスクラップヤードやパーツ工場から回収し、シートベルトのバックルも実際に使われていた物をスクラップヤードから回収して洗浄して再利用。そのほかにもエアバッグやシートベルトは車のパーツ工場のB品を回収して再利用している。
そのほかにもAIRPAQは、車のエアバッグの廃材をアップサイクルしてつくられた「ボディバッグ」やエアバッグとシートベルトの廃材をアップサイクルした「2way トートバッグ」などを展開。廃材を再利用するため製品一つ一つがオリジナル、全てが一点物なのも魅力となっている。
AIRPAQ:https://ourearthproject.jp/brand/airpaq
【YOT WATCH】おもちゃをリサイクルした腕時計
TOYをひっくり返したYOTがブランド名の由来となっているYOT WATCHは、子どもたちが遊んでいたおもちゃから生まれた腕時計のブランド。
使われなくなったおもちゃを回収して、それを原料に時計を製造。地球環境への負荷を最小限にするために、本来廃棄されるプラスチックを再活用し、新たな価値を生み出している。
友達や恋人、そして親子でもペアで楽しめる豊富なサイズ展開と、豊富なカラーバリエーションも魅力のブランド。生活防水3気圧に対応し、普段使い(雨や手洗いでの水滴)に問題なく使用できる。
YOT WATCH:https://yotwatch.com/
意外な素材をアップサイクルして生まれたファッション小物。すべて日本で購入できるのでぜひチェックしてみて。(フロントロウ編集部)