「現代において、LGBTQ+であることは楽であるという誤解があります」。LGBTQ+の状況について調査を行なったJust Like Usのエイミー・アセンデンCEOはそう語る。(フロントロウ編集部)

家族と疎遠の数、LGBTQ+の若者は非LGBTQ+の2倍

 LGBTQ+の若者を支援するためにイギリスの学校や若者と協力して活動するチャリティ団体Just Like Usが、イギリスの18歳から25歳のLGBTQ+の成人3,695人を対象に行なった調査で、LGBT+の若者のほぼ半数(46%)が少なくとも1人の家族と疎遠な状態にあり、3分の1(31%)が親や保護者に自分を受け入れてもらえるか「自信がない」ことがわかった。

 親やきょうだいなど肉親と疎遠だと答えた若者は、LGBTQ+(14%)が非LGBTQ+(6%)の2倍という結果になり、トランスジェンダー(19%)およびノンバイナリー(23%)の間では3~4倍へと上がった。

 そして、18歳から25歳のLGBT+の3分の1(31%)が、親や保護者がカミングアウトを肯定的に受け止めてくれないと思っていることが分かった。その状況にはアイデンティティごと差があり、親や保護者が自分を受け入れてくれるという質問においては、レズビアンが最も高く72%。逆に、最も低かったのは、クエスチョニング(47%)、アセクシャル(56%)、ノンバイナリー(57%)、トランスジェンダー(57%)。

未だに多くのLGBTQ+の若者が「恐怖を抱えたまま」

 今回の調査をしたJust Like UsのCEOであるエイミー・アシェンデン(Amy Ashenden)は、「現代において、LGBTQ+であることは楽であるという誤解があります。しかし、実際には多くのLGBT+の若者が、親が自分を受け入れてくれないという恐怖を抱えたままであり、約半数が少なくとも1人の家族と疎遠になっています」とコメント。

 「多くのLGBT+の若者が、人間として形成される時期に、レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスであるがために両親に愛されないのではないかと恐れながら過ごしているのを見ると、胸が痛みます。LGBT+の若者は、自分たちのアイデンティティが正当なものであり、祝福されるに値することを知るべきであり、より多くの親や教師がそのことを教えてくれることを願っています」と続けた。

 そして「沈黙は恥に繋がります」として、「だから、LGBT+の若者が拒絶を恐れて生きることがないように、学校や家庭でこうした話題について話さなければならない」と、社会や家庭においてLGBTQ+の存在が可視化されて、適切なレプリゼンテーションがあることの重要性を訴えた。

 今回公開されたデータは、Just Like Usがまとめている“Positive Futures(意味:ポジティブな未来)”という報告書の一部で、報告書のフルバージョンはイギリスにおけるプライド月間である6月に公開される。(フロントロウ編集部)

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