ドライバーの脳の認知状態をモニタリングする最新テクノロジー
衝突しないクルマと聞くと自動運転が思い浮かぶかもしれない。しかし、ボルボが投資するのは、ドライバーをより深く理解することにより安全システムを補完する、最新のテクノロジーだ。
ボルボ・カーズのコーポレートベンチャーキャピタル部門であるボルボ・カーズ・テック・ファンドは、イスラエルのディープテック脳モニタリングAIスタートアップであるCorrActions社に戦略的投資を行ない、脳の認知状況の悪化をモニタリングする技術を開発。
CorrActions社が構築したAI搭載ソフトウェアは、脳の活動を反映する微小な筋肉の動きから、ドライバーや乗客の疲労、不注意、不安、アルコール、乗り物酔い、薬物の影響などの認知症状を高い精度で理解することを可能にする。
例えば、ステアリングホイールなどにある既存のセンサーを利用することで、こうした動きは、ドライバーが注意散漫、酩酊、過度に疲れているなど、さまざまな認知症状のヒントになる。ドライバーの心理状態を理解するこの技術により、将来の安全システムの補完を目指す。
ボルボ・カーズ・テック・ファンドの責任者であるアレクサンダー・ペトロフスキは、今回の取り組みについてこう述べている。
「このテック・ファンドでは、自動車業界における技術リーダーとしての当社の地位を高めるのに役立つ、刺激的なスタートアップ企業の戦略的パートナーになることを目指します。CorrActions社は、私たちの心に近いミッションである、自動車とその周りにいる人々の安全を守ることに焦点を当てており、その条件にぴったりです」
ボルボ・カーズ・テック・ファンドは、CorrActions社のソフトウェアをテストした後、今回の資金調達を主導しており、今後も協力を続けていくことを目指している。ボルボ・カーズ・テック・ファンドは、スタートアップ企業の成功を支援し、安全性、電動化、デジタル化、自動車への新しいアクセス方法などの分野で、世界のモビリティ産業の変革を共同で加速させる。
ボルボ・カーズ・テック・ファンドによる投資は、CorrActions社によるシリーズA資金調達ラウンドの一部で、さらなる財務の詳細は開示されない。
(フロントロウ編集部)