障害のある女性がロンドンに旅行中、予約したホテルの部屋が利用できず、ホテルのダイニングルームのソファで寝ることを余儀なくされた。女性は車椅子ユーザーで、就寝時には人工呼吸器を必要としていた。(フロントロウ編集部)

障害のある女性、ホテルの不適切な対応に苦言

 脆性骨疾患と睡眠時無呼吸症候群を抱えるキャット・ワトキンスさん(36)は、ウェールズの障害者団体Disability Walesにて障害者の権利に関する国連条約の開発担当者。事件のあったこの日は、200kmほど離れたロンドン西部のハウンズローで行なわれるコンサートに参加する予定だった。

 ワトキンスさんはアシスタントと2人で泊まるために、宿泊経験のあるハウンズローのホテル「トラベロッジ」のツインルームを予約していたものの、午後3時にホテルに到着すると、予約していた部屋は「利用できる状況にない」と告げられた。実際の理由は、部屋が掃除されていないからだったという。

 ワトキンスさんはバスルームに車椅子が入らないファミリールームか別のエリアのホテルの利用を勧められ、渋々ファミリールームを選択。その後、コンサートが終わり、午前0時30分にホテルに戻ると、ファミリールームはもう空いていないと言われ、別のホテルまでタクシーでの移動を求められることに。

 しかし、車椅子を乗せられるタクシーは一台も見つからず、2人はダイニングルームに置かれたソファで寝る以外に選択肢はなかった。ワトキンスさんはガーディアン紙のインタビューに対し、「呼吸が苦しかったです。私は夜間は人工呼吸器を使用しているのですが、呼吸がどんどん浅くなっていました」と語ると、「コンサートは楽しかったが、(ホテルでの)経験があまりにもトラウマで、楽しい思い出として振り返ることができません」とコメント。

 トラベロッジの広報担当者は騒動を受けて謝罪。「私たちはワトキンスさんを再び迎え入れ、彼女の信頼を取り戻すことができることを願っています」と語り、全額返金と次回利用できるクーポンを提供したが、ワトキンスさんはすでにホテル側に二度利用しないと伝えたという。

 この件を受けて、ワトキンスさんが所属するDisability Walesの障害者平等担当者は、「キャットの体験はとくにひどいものでしたが、私たちのメンバーや私の同僚からは、ホテルでのサービスが非常に悪いという例をたくさん聞いています」とGuardianにコメント。イギリス国内での問題を提起した。(フロントロウ編集部)

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