6月9日(金)公開の映画『M3GAN/ミーガン』の短評。ファッショナブルなドールとポップな音楽で始まるのは殺戮☆ ホラーと言うよりサスペンスなので、ホラー苦手な人も見られます。(フロントロウ編集部)

『M3GAN/ミーガン』のあらすじ

画像: 『M3GAN/ミーガン』のあらすじ

 交通事故で両親を亡くし、悲しみからふさぎこんでしまった9歳の少女ケイディ(ヴァイオレット・マッグロウ)。おもちゃメーカーの才気あふれる叔母の研究者ジェマ(アリソン・ウィリアムズ)はケイディを引き取ることになるが、仕事ひと筋の独身者にとって育児はハードルが高い。そこで、研究段階のAI搭載の人形ミーガンを、実験を兼ねてケイディにあたえる。ケイディは“彼女”との交流によって笑顔を取り戻していった。ケイディが親しめば親しむほど、彼女によかれと思えることを次々と実行していくミーガン。しかし彼女の中に芽生えたケイディへの愛情は、やがて狂気へと変わり、とてつもない惨劇を引き起こす…。

『M3GAN/ミーガン』本国での評価

 2023年1月6日に全米公開された『M3GAN/ミーガン』は、週末3日間で$30,429,860(約40億円)の収益をあげ、超大作『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』に肉薄する2位のオープニングを飾る大ヒットを記録。2019年『チャイルド・プレイ』のオープニングを超えた。

『M3GAN/ミーガン』サク読みレビュー

 「地獄への道は善意で舗装されている」ということわざがあるが、『M3GAN/ミーガン』はそれを体現した作品。ケイディのため、便利さのため、全人類のため...そんな“良かれと思って”が地獄へとアクセルを踏む。

 AI人形であるミーガンというキャラクターを、恐怖の導線としてだけでなく、テクノロジーに依存する現代社会における私たちの倫理観に訴えかけるツールとして利用している本作。私たちの生活を便利にするが逆にややこしくするという現代のテクノロジーが持つパラドックスをベースにしているのだが、本作はほかにも、“ここでその音楽使う!?”、“ここでそのダンスする!?”と、コメディとサスペンスの境界線をピョンピョン飛びながらさまざまなパラドックスを武器にしている。

 アメカジファッショニスタのチャッキーで知っているように、殺人人形のレベルは殺戮人数だけでなくファッションでも決まる。その点においてもミーガンはトップクラス。チャッキーは子どものようなルックスとのギャップで怖さを引き立てたが、ミーガンはお上品だから怖い、殺戮したあとでも(シルク素材だから?)シワが寄っていないから怖い。

(フロントロウ編集部)

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