エクトインとは?
エクトインとは、塩湖や砂漠に生息する極限環境微生物(ハロモナス好塩菌)が持つ環状アミノ酸の一種のこと。
水分量が少なく、塩分濃度も非常に高いエジプトの塩湖は、本来であれば生物が存在することができない過酷な環境。そんな過酷な環境のなかで唯一生存する極限環境微生物を調べたところ、微生物の体内に存在する「エクトイン」が大きく関与していることが明らかになった。
そんなエクトインの最大の特徴は、過酷な乾燥環境でもうるおい続ける「高い保水力」。
化粧品化学者のクルパ・K・ケストライン氏は、「エクトインは比較的小さな分子で、水分子と容易に結合して複合体を形成するという特徴があります。そしてこれらの複合体は、細胞、酵素、タンパク質、その他の生体分子の周囲に水分の膜をつくって保護する働きがあるのです」と米Allureで説明。実際にエクトインは、自分の体積の約4~5倍もの水分を保有できるとされており、非常に高い保湿力が期待されている。
エクトインの具体的な効果は?
では、エクトインをスキンケアに取り入れることで、具体的にどんな効果が期待できるのだろうか。
1つめは、肌にうるおいを与え、キメを整える効果。皮膚科専門医のアーナンド・ゲリア医師は、「エクトインは、まさに天然のモイスチャーバインダーです。肌にうるおいを与えることで荒れた肌をなめらかにし、炎症を和らげる効果が期待できます」と説明。
また、エクトインには長時間にわたって水分を保持する働きがあるため、「(乾燥による)シワやほうれい線の改善にもいいとされています」とゲリア医師は言う。
2つめは、肌のバリア機能を高める効果。同じく皮膚科専門医のマリッサ・ガーシック医師は、「エクトインには、肌を保護するシールド的な役割があり、肌にダメージを与えるブルーライトや大気汚染から肌を守ってくれます」とコメント。
昨今では紫外線だけでなく、ブルーライトや大気汚染も肌にダメージを与えることが分かっているため、肌をしっかり保湿しながらバリア機能も高めてくれるエクトインは、まさにエイジングケアにもってこいの成分だとガーシック医師は話している。
海外で話題の「エクトイン」配合コスメ
今回はそんな海外で話題沸騰中の新成分「エクトイン」を配合した人気スキンケアアイテムをご紹介。気になる人はぜひチェックしてみて。
ドクタージャルト「セラマイディン エクトイン インフューズドクリーム」
ドクタージャルト(Dr.Jart+)の「セラマイディン エクトイン インフューズドクリーム」は、エクトインで肌を整え、セラミドでうるおいを与える保湿クリーム。優れた保湿効果で肌のバリア機能を高め、外部からの刺激にも負けない肌本来の力をサポートする。
ドクターデニスグロス「ダームインフュージョンズ フィル + リペア セラム」
ドクターデニスグロス(Dr Dennis Gross)の「ダームインフュージョンズ フィル + リペア セラム」は、ヒアルロン酸、ペプチド、ナイアシンアミド、エクトインを配合した美容液。肌のバリア機能をサポートし、気になるシワやシミ、肌荒れなどの予防してくれる。
ビオッサンス「スクワラン&コパー ペプチド ラピッド プランピング セラム」
ビオッサンス(Biossance)の「スクワラン&コパー ペプチド ラピッド プランピング セラム」は、ヒアルロン酸、ポリグルタミン酸、スクワラン、そしてエクトインを独自にブレンドした美容液。たっぷりとしたうるおいを与え、肌のハリ感をサポートする。
さまざまな美肌効果が期待できる大注目の「エクトイン」。日本でもエクトイン配合コスメが徐々に増えているので、ぜひ日頃のスキンケアに取り入れてみては。(フロントロウ編集部)