26歳の女性が世界最大サイズのトラに襲われる事件がロシア・ウスリースクで起きた。(フロントロウ編集部)

“茂みで用を足そうとした”ところ…

 極東ロシアの都市ウラジオストクから100kmほど北に位置するウスリースクでトラの襲撃に遭い、26歳の女性が大怪我を負ったと、英Daily StarやMirrorら英メディアが報じた。今年5月に女性を襲ったのは、世界最大級のトラであるアムールトラ。オスの個体では、全長3m、体重300kgを超えるものが確認されたことがあるほどの巨躯を誇る。

 被害に遭った女性の証言によると、トラの襲撃が起きたのは、夫と車でドライブ中だった女性が野外で用を足すために森の中に入った時。女性は目の端でトラが向かってきていることを確認すると走って逃げだしたが、3歩進んだところで転倒。するとトラは彼女に跳びかかり、爪で女性の身体を引き裂いた後、牙で彼女の手をくわえて彼女を引きずり出したという。ただ次の瞬間、妻の窮地に気付いた夫が車でトラに体当たりし、トラは森に逃げて行ったとのこと。

 ドライブ中に用を足したらトラに襲われたなんて、とんでもなく不幸な事故。しかし、妻を救った夫は高額の罰金を支払わされる可能性があるという。

 WWFによると世界で500頭ほどしか生存していないアムールトラは、絶滅危惧種に指定されており、ロシアでも保護対象。殺した場合は最大で400万円前後の罰金と実刑の可能性がある。警察とトラの専門家によると、女性は襲われた時に自分が何をしていたのかについて、「迷子の犬を探していた」「シダを集めていた」などと証言を二転三転させており、密猟の疑いも浮上しているという。

 アムールトラセンターのセルゲイ・アラミレフ局長は、「男が妻を(口で)捕らえたトラをトラックで轢いたという証言は、傷の性質や肉食動物による奇襲の知識からするとあり得ない」と自身の見解を示唆。しかしトラックには実際にトラの毛が付着しており、現場には血痕と争った形跡が残っていることから、現在は状況を慎重に確認していると説明した。

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