性交痛はなぜ起きる？セックスが痛い原因と性交痛を防ぐ3つのグッズ

性交痛には様々な原因が考えられる

　2020年にTENGAヘルスケアによって実施された「性交痛に関する調査」によると、20代～40代の女性269名のどの年代層も約6割が性交痛を経験したことがあるといいます。（※1）。

　性交痛が起こる原因はいくつかありますが、根本的な原因を特定するためには医師の診察を受けることが一番大切。性交痛の一般的な原因には、以下のようなものがあります。

①膣の乾燥：潤滑が十分でないと、摩擦によって痛みや不快感が生じます。

②更年期障害： 女性は更年期に入ると、エストロゲンレベルが低下するため、膣の乾燥を引き起こし、性交痛を起こすことがあります。

③膣痙攣：膣壁の筋肉が不随意に収縮し、性交に痛みを伴ったり、挿入ができなくなったりする状態。

④感染症：カンジダ症、細菌性膣炎、性感染症などの感染症は性交時に痛みを引き起こすことも。

⑤子宮内膜症：子宮内膜症は、通常子宮を覆っている組織が子宮の外側に増殖し、性交時に痛みや不快感を引き起こす病気です。

⑥骨盤内炎症性疾患（PID）：生殖器官の感染症で、性交時の痛みのほか、発熱や腹痛などの症状を引き起こすことがあります。

⑦外陰部痛： 陰部の慢性的な痛み・不快感で、原因となる疾患は、性器ヘルペスなどの感染性疾患、接触性皮膚炎などの炎症性疾患、パジェット病などの腫瘍性疾患、脊髄神経圧迫などの神経性疾患など。

⑧パートナーとサイズが合わない：お互いの性器の大きさが合わないこともあり得ます。

　上記は性交痛の原因のほんの一部。産婦人科医を受診しても病気などがなかった場合、一般的に大きな原因は①の「膣の乾燥」だと考えられます。

なぜ、膣がドライになるの？

　日本家族計画協会は、性的な興奮が高まると、女性は下半身に血液が集まり、腟壁周辺に張り巡らされている毛細血管が拡張して、血管壁が開いてその隙間から潤滑液が分泌される、と“膣のうるおい“について説明しています。

　そして病気以外での膣の乾燥は、以下が原因だとしています。（※2）

①ストレス・緊張：ストレスや緊張がホルモンバランスに影響し、膣の潤滑液が不十分になるケースがあります。

②不十分な前戯：何が性的興奮要素になるかは人それぞれ。何に対して自分が興奮するかを自覚し、パートナーと共有しないと性的興奮せず、膣がうるおわない場合も。

③動脈硬化：血管壁が固くなると、性的興奮が高まってもその血管壁が開かず、濡れるのが難しくなる場合も。

④その他：性的興奮要素や性的抑制要素は人により異なります。また、カップルの関係性なども膣の潤滑に影響します。一度、性交痛を味わうとその恐れで膣が濡れにくくなる場合も。性行為だけでなく、日頃のオープンなコミュニケーションが膣の潤滑に影響するので、ちょっとでも心配事があればパートナーと話し合う必要があります。

　こうしてみると、③の動脈硬化以外は、カップルがなんでも話し合える信頼関係を築くことが大切。信頼関係は一昼夜ではなりたちません。日頃からお互いの自己肯定感を損なわない、リスペクトのあるコミュニケーションをとっていくのが重要です。

　とはいえ、思いやりのあるコミュニケーションがあり、性的に興奮していたとしても、その日のホルモンバランスなどにより、女性は濡れないこともあります。

　そんなときは、潤滑剤を使いましょう。パートナーとの非性的・性的スキンシップを高めてムードを盛り上げるから、筆者は性交痛がないときでも潤滑剤を常備しています。

　潤滑剤で注意すべき点は、オイルベースのものをコンドームと併用してはいけないこと。コンドームを溶かしてしまう可能性もあるので要注意です。また、シリコンベースの潤滑剤もシリコン製のトイと一緒に使ってはいけないので気をつけましょう。

　次にオススメする潤滑剤は天然由来の美容成分が含まれたウォーターベースのものなので、肌にやさしくトイやコンドームと併用できます。

セックスを楽しくする性交痛予防グッズ3つ

wyle ルブリカント ホット ローション 100ml （CBD 100mg）

　デリケートゾーンに塗るとあたたかくなる、CBDと和漢成分入りローション。とろみのあるテクスチャーはベタベタしていないので、顔や身体へのマッサージにも使えます。また、膣の乾燥がかゆみにつながるときもあるので、膣の保湿剤としても重宝します。ハンドローションとしても使え、プレジャーアイテムに見えない外装だから、バッグに入れて持ち歩いてもOK。

　筆者はこのローションを使うとリラックスして、入眠しやすくなる気がします。無色・無臭・透明のウォーターベース。

aib-selfcare innerflora lotion（インナーフローラローション）

　皮膚の常在菌を整える肌フローラに着目した、日本初の乳酸菌由来成分配合の潤滑ローション。天然由来の様々な美容成分が配合された、保湿力が高い製品。上記の「wyle ルブリカント ホット ローション」よりも粘着性があり、従来のヌルヌルとした潤滑剤とスキンケアローションの中間のようなテクスチャー。透明のボトルは揮発泡が見えて、とてもキュート。

　ボトルの底面がある程度大きいのでベッドサイドなどに置くと、いちいち製品を手に取らなくてもポンプ式でじゃんじゃん使えます。無色・無臭・透明のウォーターベース。

OHNUT（オーナット）

　膣の潤滑や病気が性交痛の原因ではない場合、パートナーとのサイズが合わないことも考えられます。そんなときに役立つのがペニスリング。発明者の女性が性交痛に悩んでいたことから誕生しました。男性が潤滑剤をつけてぷにぷにしたリングを装着するだけ。リングの数1～4個をちょうどよい深さに調節できます。

　装着した男女に意見をきくと、もちもちとした感触が気持ちよく、セックスの感度も上がったそう。

　性交痛は“当たり前”ではなく、我慢すべき痛みではありません。性交痛がある人はまずは産婦人科医を受診しましょう。性交痛があってもなくても、お気に入り潤滑剤は自分の気持ちをあげて、セックスの感度を高めます。コンドームなどセーファーセックスグッズを入れる自分の「プレジャーボックス」を作って、そのなかに常備しておいてもよいかもしれません。

【参考】
※1 …調査結果から見る性交痛の実態– TENGA
※2 …性交痛の原因と解消法 -日本家族計画協会