近年、UVカット効果のあるコスメが次々と登場しているけれど、じつは単体で使うと日焼け止め効果が不十分な場合があるという。日差しが強くなるこれからの季節に知っておきたい、正しい紫外線対策を美容の専門家がアドバイス。(フロントロウ編集部)

コスメだけで日焼け対策はできる?

 ファンデーションや化粧下地、フェイスパウダー、チーク、アイシャドウなど、ここ数年の間で爆発的に増えている「UVカット効果」が期待できるコスメ。メイクをしながら日焼け対策が同時にできるので、日差しが強い夏になると愛用するという人も多いと思うけれど、はたして本当に日焼け止めの代わりになるのだろうか。

画像1: コスメだけで日焼け対策はできる?

 米アイダホ州にある皮膚科クリニックTreasure Valley Dermatology and Skin Cancer Centerにて皮膚がん治療などを専門とする皮膚科専門医のダスティン・ポルテラ医師によると、コスメ単体で使うのなら、答えはノー。

 ポルテラ医師は、「理論的には、メイクアップのみで十分な日焼け止め効果が得られるはずですが、紫外線対策の試験で使われる基準量は、1cm²あたり2mgとなっています。これがどういう意味かというと、日焼け対策をメイクだけに頼る場合、従来の日焼け止めの6~7倍以上の量を塗る必要があるということです」と説明。

 つまり、従来の日焼け止めと同じUVカット効果を得るためには、かなりメイクを厚塗りしなくてはいけないという。

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 ほかにも、米テキサス州の皮膚科クリニックDermatology Clinic of McAllenにてニキビ、湿疹、肝斑などの多数の皮膚疾患における治療実績を持つ皮膚科専門医のアデリーン・キカム医師は、「FDA(アメリカ食品医薬品局)には、日焼け止めに対して厳しいガイドラインがあります。日焼け止め成分が含まれているからといって、自動的に日焼け止めとして認定されるわけではありません」と忠告。

 さらにキカム医師は「日焼け止め成分を使用した化粧品の中には、FDAの基準を満たしていないため、日焼け止め効果を謳うことができないものもあります」とも付け加えた。

メイクの前に「日焼け止め」が最適解

 キカム医師によると、しっかり紫外線対策をしたいなら、やはりメイクの前に「日焼け止め」をたっぷり塗るのがベスト。

画像1: メイクの前に「日焼け止め」が最適解

 キカム医師は、「UVカット効果のあるコスメは、従来の日焼け止めの代わりに使用するのではなく、プラスαとして活用するのがいいでしょう」と助言。一般的な日焼け止めだとメイクノリが気になるという人に対しては、日焼け止めを塗った後に化粧下地を重ねるのがオススメだという。

 ほかにも、UVカット効果のあるフェイスパウダーやチーク、リップなどのコスメは、日中の日焼け止めの「塗り直し」にピッタリ。

画像2: メイクの前に「日焼け止め」が最適解

 キカム医師は、「日焼け止めの効果を持続するためには、2~3時間ごとのタイミングで塗り直す必要があります。こういうシチュエーションでは、メイクの上から簡単に塗ることができるSPFを含むパウダーやセットスプレーを使用することをお勧めします」とアドバイスした。

 紫外線は美肌にとって大敵。そんな紫外線から肌を守るためにも、従来の日焼け止めをしっかり塗りつつ、UVカット効果のあるコスメを上手に活用して、ダメージ知らずのなめらか美肌をキープしてみて。

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