サブリナ・カーペンターが最新アルバム『イーメイルズ・アイ・キャント・センド』を引っ下げたジャパンツアーを開催。7月18日に行なわれた豊洲PIT公演の模様をレポート。(フロントロウ編集部)

サブリナ・カーペンターがジャパンツアーを開催

 テイラー・スウィフトの大ファンを公言し、来月から始まる『The Eras Tour』の中南米ツアーなどではサポートアクトを務めることが決定しているサブリナ・カーペンター。開演前のSEの最後の曲として、尊敬するテイラーの「All Too WellAll Too Well (10 Minute Version) (Taylor's Version) 」が大音量で流れると、2人の関係性を知っている大勢のファンから大歓声があがる。

 そうしてすっかり温まった豊洲PITのステージに、ハートの形をしたキュートなトップスとミニスカートというピンクのツーピースに、白いブーツを合わせた衣装でサブリナが登場すると、会場はさらに大きな歓声で包まれることに。最新作『イーメイルズ・アイ・キャント・センド』の1曲目に収録されている「emails i can’t send」から、約4年ぶりの来日公演がスタートした。

 今回の来日公演は、日本限定でデラックス版がCD化されたことも話題になった最新作を引っ下げたもの。このアルバムは「送ることができないメールたち」というタイトルにも表れているように、サブリナのパーソナルな感情が綴られた作品となっていて、楽曲ごとにスクリーンの映像やライティングなどが変化するシアトリカルなステージをバックに、「Read your Mind」、「Feather」、「Vicious」と、序盤から同作からの楽曲が続けて披露されていく。この日はすべての曲に大歓声があがり、ところどころでシンガロングが起きていたが、最初のハイライトとなった「Feather」など、デラックス版に収録のボーナストラックにもイントロから歓声があがっていたことに、日本のファンとサブリナの関係の深さを感じる。

画像1: ©️Kazumichi Kokei
©️Kazumichi Kokei

 日本のファンへの感謝や、日本のトイレにいかに感銘を受けているかを伝えたあとで、さらに同作から「Already Over」をパフォーマンス。続く「Bad For Business」では、前列のファンからカウボーイハットを受け取って被るという場面も見られたほか、会話劇のごとく語りかけるように披露した「Skinny Dipping」では、観客と交互にパートを担当するなど、ファンとの交流を楽しんだサブリナ。そして、続けてアコースティックで披露された「things i wish you said」では、観客が静かにパフォーマンスを見守った。

 『イーメイルズ・アイ・キャント・センド』はちょうど約1年前にリリースされたアルバムで、ステージではそのアニバーサリーにも言及して、「パーソナル」なこのアルバムを東京で演奏できることや、日本のファンがそれを歌ってくれることがいかに「スペシャル」かを伝えていたサブリナ。日本のファンとの絆の強さは、MVなどでサブリナが着ていた衣装などをモチーフにしたファンの“参戦服”やシンガロング、何度もファンに感謝を伝えていたサブリナのMC、一人一人に語りかけるように歌う彼女のパフォーマンスなど至るところに表れていたが、4年ぶりに実現したこの日のライブはまさに、サブリナとファンがお互いへの愛を交わしながら、一緒に創り上げていくようなステージとなっていた。

画像2: ©️Kazumichi Kokei
©️Kazumichi Kokei

 楽曲の説明の時点で歓声があがった「Tornado Warnings」、自発的にオーディエンスがスマホのライトを点けるという感動的な光景が広がった「Opposite」、ちょっぴりダークでセンシュアルな「Bet You Wanna 」と、セットは続いていったのだが、ここまでの楽曲ごとの感情や表情、コレオグラフィの切り替えの完璧さは、ディズニーチャンネル時代からの俳優としての豊富な経験値を改めて思い出さずにはいられない。

 もちろん、後半に差し掛かっても、ところどころでファンと交流するのを忘れないのがサブリナというポップスター。ファンから受け取ったキティちゃんの耳を着けたり、ファンにマイクを向けて失恋経験をシェアしてもらったりしたあとで、ファンにスマホのライトを点けてくれるよう促して、「how many things」を弾き語りに近い形で披露。ハイウェイを走るような映像をバックに「Fast Times」を披露してペースを一段上げると、ここからショーはクライマックスへ。

 「Paris」、「Honeymoon Fades」、「Sue Me」という、長年のファンには嬉しい過去作からの楽曲3連発のあとで、ステージの階段に腰掛けながら語りかけるように「Decode」をパフォーマンスして、本編を締めくくった。

画像: 終演後にインスタグラムストーリーズを更新して、バックステージで撮影した写真を投稿したサブリナ。写真には「daisukiiii!!!」と日本語が添えられている。 ©️Sabrina Carpenter/Instagram

終演後にインスタグラムストーリーズを更新して、バックステージで撮影した写真を投稿したサブリナ。写真には「daisukiiii!!!」と日本語が添えられている。

©️Sabrina Carpenter/Instagram

 もちろん、過去作からの楽曲が披露されたクライマックスのセクションはこの日の最大のハイライトの一つだったが、アンコールの1曲目にパフォーマンスされ、「Tokyo I love you!めっちゃ大好き!」という粋な日本語歌詞への変更もあった最新作からの「Nonsense」も、それらに勝るとも劣らない大歓声で迎えられる。そして、ラストは燃えるハートの映像をバックに「because i liked a boy」を披露して締めくくったサブリナ。「東京大好き!」と笑顔で告げて、最後の瞬間まで日本のファンへの愛を伝えてステージを後にした。


<リリース情報>
『イーメイルズ・アイ・キャント・センド・フォワード: 』
国内盤 UICL-9122 ¥3,200(+税)
★日本盤ボーナス・トラック4曲
★日本独自企画フォトブック(封入)
発売中

画像: サブリナ・カーペンターがジャパンツアーを開催

トラックリスト
1. emails i can’t send / イーメイルズ・アイ・キャント・センド
2. Vicious / ヴィシャス
3. Read your Mind / リード・ユア・マインド
4. Tornado Warnings / トルネード・ワーニングス
5. because i liked a boy / ビコーズ・アイ・ライクド・ア・ボーイ
6. Already Over / オールレディ・オーバー
7. how many things / ハウ・メニー・シングス
8. bet u wanna / ベット・ユー・ワナ
9. Noncense / ノンセンス
10. Fast Times / ファスト・タイムス
11. skinny dipping / スキニー・ディッピング
12. Bad for Business / バッド・フォー・ビジネス
13. decode / デコード
14. opposite / オポジット +
15. Feather / フェザー +
16. Lonesome / ロンサム +
17. things i wish you said / シングス・アイ・ウィッシュ・ユー・セイド +
+ボーナス・トラック

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