イギリスの大手カフェチェーンのプレタマンジェ(Pret A Manger)が、労働安全衛生に関する法律に違反したとして約1.5億円の支払いを命じられた。

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マイナス18度のウォークイン冷凍庫に2時間半

 ウェストミンスター市議会が発表した報告書によると、2021年7月、同店で働いていた女性スタッフが業務用の冷凍庫に閉じ込められる事案が発生したという。

画像: マイナス18度のウォークイン冷凍庫に2時間半

 ジーンズとTシャツ姿の女性が閉じ込められたウォークイン型の冷凍庫は、通常マイナス18度に設定されていたものだそうで、女性は暖を取るために狭い室内を歩き続けようとしたという。しかし、しばらくすると、寒さで気分が悪くなり、呼吸がしにくくなり、太ももと足の感覚がなくなっていることに気づいたそう。さらに、換気扇から冷気が吹き出すのを防ぐためにクロワッサンが入った段ボール箱を破ろうとしたものの、手がかじかんで箱を破ることができなかったという。

 最終的に、約2時間半後に同僚に発見された女性。すでに死を覚悟していて、発見されたときは取り乱していたという女性は、病院に運ばれると低体温症の疑いで手当てを受けた。

 事件を受けて、ウェストミンスター市の安全衛生チームが同社を調査。その結果、適切なリスクアセスメントがなかったことが判明。さらに、過去19ヵ月の間に、別の従業員が閉じ込められた事例を含め、押しボタンの不具合や凍結に関する報告が従業員から複数あがっていたことが分かった。

 裁判所は保健安全法違反として、同社に80万ポンド(約1.5億円)の支払いを命令。そして、ウェストミンスター市議会は今回の報告のなかで、「この事件の衝撃的な詳細は、十分な注意と配慮の欠如を示しています。この事件は、基本的な安全対策の見落としが最も深刻な結果をもたらす可能性があることを示しています。裁判で下された多額の罰金が、すべての企業に対する警告となり、同様のことが二度と起こらないことを願っています」とした。

 

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