毎年ニューヨーク州で約2週間にわたり催されるお祭り「ニューヨーク・ステート・フェア」。そこでは、バターで作られた大きな彫刻が名物となっているが、イベントが終わった後、360kg相当のバターはどこに行くのだろうか?(フロントロウ編集部)

ニューヨーク州の廃棄物をダブル利用した試み

 バター彫刻には、さまざまな理由で販売や消費に適さないバターが使用されており、お祭りでの展示が終わると、解体されたバターは酪農場へと運ばれる。

 そこで、地元の食品メーカーや教育機関から出る他の食品廃棄物と合わせ、農場の消化槽で分解してエネルギーへと変換。この作業を行なっているノーブルハースト・ファームズは、このような作業によって、農場と農場内のクリーム工場、そして約350世帯の1年間の電力に十分な電力を作り出しているそう。ちなみに、バター彫刻に使ったバターの量ならば、1軒の家に3日間電力を供給することができるという。

画像: ©American Dairy Association North East

©American Dairy Association North East

 現地では、ノーブルハースト・ファームズの努力の結果、毎週200トンの食品廃棄物が地元の埋立地から引き出されており、同社はサステナビリティと地域社会とのパートナーシップにおける功績によって全米で高く評価されている。

 そんなノーブルハースト・ファームズは、「酪農家が世界的な食品廃棄問題のなかで果たしている責任に対する意識は間違いなく高まっている」としたうえで、「8年連続でニューヨーク・ステート・フェアのバター彫刻をリサイクルできることを光栄に思います。バター彫刻を他の生ごみと混ぜ、約28日間かけてエネルギーに変換します。そのエネルギーは電気に変換され、地元コミュニティの家庭に電力として供給されます」とコメント。そして最後に、「ニューヨーク州が今後数年間、メタンガスの削減と炭素隔離に注力する中で、私たちの革新的な食品廃棄物削減の技術がさらなる価値をもたらすことに期待しています」と語った。

This article is a sponsored article by
''.