「選挙戦の間、間違いなく残しておきたい破壊行為」
自由至上主義政党アクト党のデヴィッド・シーモア党首が「本当の変化が欲しいならアクト党に投票」というメッセージの隣に立つ政治ポスターに、大掛かりな落書きがされているのが、ニュージーランド北部のタウランガで先週発見された。
現在のアクト党のポスターはピンクを背景にしたもの。
それに施された落書きがこちら。
もともとのピンクの背景をバックに、シーモア党首が、映画『バービー』でライアン・ゴズリングが演じるケンに生まれ変わっている。髪は金髪になり、胸元は筋肉が盛り上がり、白い歯をキラリとのぞかせ笑顔を見せるシーモア党首。ポスターの右部分は「Vote(投票)」という言葉だけが残され、「本当の行動が欲しいならケンに投票」というメッセージが。映画に登場するヤシの木やジープなども描かれている。
タウランガの地元メディアSunLiveの報道でポスターへの落書き事件を知ったシーモア党首は、「すごく気に入りました。キナフ(十分※)以上です」と同メディアにコメント。落書きを直すつもりはないそうで、「選挙戦の間、間違いなく残しておきたい破壊行為ですね」と語った。
※KenoughはKen(ケン)とEnough(十分)を掛け合わせた、映画『バービー』で誕生した造語。
オーストラリアのメディアではすでに落書きを行なった人物を割り出しており、New Zealand Heraldに匿名でコメントしたこの人物は、「私はただ、地域社会に少しでも幸せをもたらしたかった」と落書きした理由を語り、今後ほかの政党のポスターでも同じような落書きをするつもりだとした。
ただ、ニュージーランドでは落書きは違法行為。日本でも、選挙ポスターに落書きしたりポスターを破ったりする行為は公職選挙法の第225条の選挙の自由妨害罪に当たる可能性がある。