ブラジルで大ブレイクして以来、新世代ラテン・アメリカ音楽シーンをリードするアーティストとなったブラジル出身の女性ポップスター、アニッタ。バイセクシャルである彼女が、自身のセクシュアリティに対する否定的な意見に反応した。(フロントロウ編集部)

ブラジルでバイセクシャルでいることのダメージ

 2018年のNetflixのドキュメンタリー番組『GO! アニッタ』でバイセクシャルであることをカミングアウトしたアニッタ。そんな彼女が、番組でのカミングアウトを決意した背景を米InStyleとのインタビューで語った。

 「なぜ私が明かしたかというと、ブラジルでは(LGBTQ+であることには)多くの批判やタブーがついてくるからです。私のセキュリティスタッフは、私が女の子とキスしている写真を削除するよう頼むのに必死でした。もし私が女の子とキスしていたら、ブランドとの契約など何もかもを失うことになりますから」

 さらにアニッタは、自身のセクシュアリティを疑う声にも触れて、「私が女性と長期交際をしたことがないせいで、私のことを“偽りのバイセクシャル”と言う人もいます。でもね、私、男性が相手だって3ヵ月以上続くことはないんです」と、爽快なコメントをした。

 ブラジルでは、同性婚や同性愛者による養子縁組は合法化されており、セクシュアリティやジェンダーに基づく差別から保護する法律も制定されている。一方、LGBTQ+に対するヘイトクライムの存在は問題となっており、現地のシンクタンクであるイガラペ・インスティテュートは、「ブラジルのLGBTQコミュニティに対する差別と暴力は蔓延していますが、しばしば過小報告されています」と2020年に明かした。

 アニッタは近年最もソーシャルメディアで話題になるアーティストのひとりで、「Envolver」が大ヒットした2022年には、ブラジル出身アーティストとして初めて、Spotifyのグローバルチャート1位獲得やVMA受賞を達成。現在、ブラジルを代表するグローバルアーティストとして活躍している。

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