国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは、11月17日から26日まで、東京都・青山のLIGHT BOX STUDIO AOYAMAにて、日本における気候変動の影響をアートを通じて感じる展覧会「HELP展 ~30年後には消えてしまうかもしれない~」を開催する。フロントロウ編集部のエディターも実際に会場で体験してきた。(フロントロウ編集部)

「HELP展 ~30年後には消えてしまうかもしれない~」

 世界55以上の国と地域で活動し、国内だけでは解決が難しい地球規模で起こる環境問題に、グローバルで連携して解決を目指す国際環境NGOグリーンピース。グリーンピース・ジャパンは、オランダ・アムステルダムに本部を置く同団体の日本支部として、1989年に誕生した。そんなグリーンピース・ジャパンが、展覧会「HELP展 ~30年後には消えてしまうかもしれない~」を開催。

画像: 「HELP展 ~30年後には消えてしまうかもしれない~」

 「HELP展 ~30年後には消えてしまうかもしれない~」は、日本に迫る気候危機を五感で「感じられる」作品を展示し、日本における気候変動の影響をアートを通じて感じる展覧会。

 同展覧会では、おもに気候変動が原因で30年後に日本から失われてしまうことが予想される生物や文化の中からいくつかのテーマをピックアップ。30年後には消えてしまうかもしれない生物や文化からの“HELP”をテーマとした作品を展示する。

「動物」「寿司」「東京」など5つのテーマをピックアップ

 「HELP展 ~30年後には消えてしまうかもしれない~」では、おもに気候変動が原因で、30年後に日本から失われてしまうことが予想される生物や文化の中から「動物」「寿司」「伝承」「昆布」「東京」の5つを取り上げて作品を制作。

 作品制作には、ぬいぐるみ作家の片岡メリヤス氏、八劔神社宮司である宮坂清氏、料理研究家の土井善晴氏らを含む多様な作家、文化人たちが協力。

画像: 片岡メリヤス氏

片岡メリヤス氏

 「動物」のテーマでは、絶滅の危機に瀕し、消えゆく動物たちの姿を片岡メリヤス氏が本展示会のために制作したぬいぐるみを通して紹介。約100万種の動植物が絶滅の危機に瀕し、恐竜を絶滅させた6550万年前の大量絶滅と同じくらいのスピードで生物多様性が失われている現状を、愛らしいぬいぐるみの姿を通じて表現する。

画像1: 「動物」「寿司」「東京」など5つのテーマをピックアップ

 また「寿司」のテーマでは、無くなる可能性に応じて透明度を変化させた樹脂オブジェの寿司を作成し、私たちの日常生活に現れるであろう、気候変動の影響を直感的に感じられる内容に。自分の好きな寿司のネタはどれだけ気候変動の影響を受けているのか、透明になったアートが教えてくれる。

画像2: 「動物」「寿司」「東京」など5つのテーマをピックアップ

 そのほか「諏訪湖 御渡りからのHELP」「昆布からのHELP」「東京からのHELP」として、30年後には消えてしまうかもしれない生物や文化を紹介。長野県の諏訪湖で行われている伝統神事「御渡り」を描いた映像アート作品はChanging Climate, Changing Lives Film Festivalに出品予定だという。
※ 2019年、タイを中心とするアジア地域で、ショートフィルムを通じて気候変動に関する認知を高めることを目的として設立された映画祭

画像3: 「動物」「寿司」「東京」など5つのテーマをピックアップ
画像4: 「動物」「寿司」「東京」など5つのテーマをピックアップ
画像5: 「動物」「寿司」「東京」など5つのテーマをピックアップ

 多様な作家、文化人が協力して生み出された各作品のそばには、それぞれのテーマにかかわる解説やデータを掲示。30年後に日本から失われてしまうことが予想される生物や文化が発する“HELP”のメッセージを、まさしく五感で感じられる展覧会となっている。ちなみにタペストリー形式で吊り下げられた解説文は、環境に配慮し、綿の布の素材が採用されている。

画像1: エディター撮影

エディター撮影

 アートが好きな人、気候変動の問題に興味がある人、生物が好きな人、寿司が好きな人、東京に住み続けたい人、そのどれかには当てはまるであろうすべての人に、ぜひ目で見てほしい。

参加型であり社会実験のアート展

 「HELP展 ~30年後には消えてしまうかもしれない~」は、たくさんの参加方法がある参加型のアート展。写真撮影・SNSへの投稿も、参加方法のひとつ。

 そして展示品や会場造作品のお持ち帰りが可能。その背景には、展示の実施自体がエネルギーを消費し、廃棄物が生み出されてしまうことが関係している。新しく使ったり使い捨てる資源をできる限り減らし、なおかつその過程や手法を一人でも多くの来場者と共有することを目指し、展示会そのもののリユースを社会実験中。

 受付で申し込みチケットを受け取り、欲しい品を探しリユース方法を記入することで、当選した人は会期終了後に持ち帰りできる。

 また、助けたいと思ったものへの擬似募金体験ができる取り組みも。受付でコインを受け取り、どのHELPを助けたいか考えながら鑑賞。最後にコインを投入したテーマから手紙が届く。

画像2: エディター撮影

エディター撮影

画像3: エディター撮影

エディター撮影

 グリーンピース・ジャパンがこのプロジェクトで目指すのは、「気候変動とアート」をコンセプトに、気候変動の影響がどのような形で日本にやってくるかを気づいてもらうこと。気候変動がもたらす課題を「五感」を通して表現することで、持続可能なライフスタイルを模索する強い動機を得るきっかけを提供したいと考えているそう。

 日本に迫る深刻な気候危機をテーマに掲げながら、五感で感じられるアート作品というフィルターを通すことで心にすっと入りやすい「HELP展 ~30年後には消えてしまうかもしれない~」。さまざまな生物や文化が失われつつあること、それは私たちの日常と無関係ではないことを気づかせ、日々の生活を見直すきっかけをくれる。

イベント名:HELP展 30年後には消えてしまうかもしれない
主催:グリーンピース・ジャパン
会期: 2023年11月17日(金)- 11月26日(日)
会場: LIGHT BOX STUDIO AOYAMA(東京都港区南青山5丁目16−7)
時間:11:00~18:00
入場料:無料
公式サイト:https://bit.ly/3Ph0yAn 
公式インスタグラムアカウント:https://www.instagram.com/help_gpj/
告知協力:パタゴニア日本支社

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