MCU初のアジア系ヒーローが主人公の映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』で、一躍有名になるまで苦汁を飲み続けた“超”苦労人のシム・リウ。そんなシムの知れば知るほど好きになる、ユーモアたっぷりなエピソードをご紹介。(フロントロウ編集部)

フリー素材俳優から、アベンジャーズへ!

画像: フリー素材俳優から、アベンジャーズへ!

 中国・ハルビンに生まれ、5歳で父に連れられてカナダに移住するまでは、とても裕福とは言えない祖父母の元で育てられたシム。大学卒業後は会計士として働くが、入社してたった8か月でリストラに遭う。失業をきっかけに、興味本位でギレルモ・デルトロ監督の映画『パシフィック・リム』のエキストラに参加し、その経験が俳優を目指す転機となった。

 ところがすぐには芽が出ず、下積み時代は“フリー素材画像”のモデル、スタントマン補欠要員、ヒーローショーの中の人、アバクロのショップ店員など様々なアルバイトを経験。そんな時、『シャン・チー』の制作発表を知り、軽い気持ちで「マーベルさん、いつ打ち合わせをしますか?」とSNS に投稿したところ、まさかのマーベル側から連絡を受けオーディションが決定。

 オーディションでは、ブラック・ウィドウのアクションを完コピ。親近感たっぷりの笑顔と、キレキレのアクションのギャップにマーベル側は一目惚れ!無事にシャン・チー役が決まり、ケビン・ファイギから電話を受けたシムは、パンツ一枚でえびせんを食べながら号泣したという。ひたむきな努力家であり、ユーモア溢れるシムの魅力が詰まったエピソードだ。

スパイダーマンに呪われている...!?

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 何故か「スパイダーマン」と不思議な縁があるシム。下積み時代に子供の誕生日パーティーを盛り上げるため、スパイダーマンのスーツで参上する仕事があったことをアメリカの人気テレビ番組「ジミー・キンメル・ライブ」で振り返った。「6歳の子供たちのパーティーに転がり込んで、1時間にわたり痛めつけられるのさ。コスチュームのクオリティも低かったから、誰一人として、僕がスパイダーマンだって思ってくれなかったね」とコメント。

 さらに、仕事を求めロサンゼルスに移り住んだ頃には、ハリウッド大通りでスパイダーマンのコスチュームに身を包んだ男性に「写真を撮ろう」と話しかけられ、「LA の人は凄く親切だな」と思った矢先にお金をせびられ絶望したそう。

 まるでスパイダーマンに呪われている様なシムだが、『シャンチー』出演後にはそんな呪いを断ち切るようなエピソードが。とあるイベントに出席し、スピーチをしたシムは自分がトム・ホランドと友達だと告白。その証拠として、トムが自分の留守電に残したメッセージを再生。「今『シャン・チー』を見たところだよ! めちゃくちゃ最高だった!」とトムの声が流れると、観客は大盛り上がり!

「一生懸命努力して夢を追い続ければ、トム・ホランドが自分の映画を見てボイスメールを残してくれる日が来るんだよ」と語り、スターになっても謙虚な言葉にシムの豊かな人間性が感じられた。

最新作では、“世界一危険な仕事”で絶体絶命!

画像1: 最新作では、“世界一危険な仕事”で絶体絶命!

 そんなシムの最新作となるのが、9月26日公開の『ラスト・ブレス』。深海を舞台に“世界一危険な仕事”の一つと言われる飽和潜水士に起きた、最悪の事故をリアルに描いた作品。直径100メートル、水深11メートルの超巨大プールに海水を流し込み、“深海”を完全再現し撮影が行われた。シムたちは、その中で本物の潜水服を着用し3週間かけて深海のシーンに挑んだ。

 「実際に、訓練はマルタの潜水プールで1週間かけて行ったんだけど、最高だった。すごく配慮されていると感じたし、潜水することにすっかりハマってしまったんだよね」とポジティブにも聞こえるシムの言葉の反面、リアルを追求するあまり多少の事故はあったよう。

画像2: 最新作では、“世界一危険な仕事”で絶体絶命!

 若き飽和潜水士・クリス役を演じたフィン・コールは、潜水服の不具合により水深11メートルのプールの底で息が出来なくなったトラウマを明かし、「どんな時でもシムはとても冷静で、素晴らしいシーンパートナーでした」とシムの姿勢を賞賛した。

画像3: 最新作では、“世界一危険な仕事”で絶体絶命!

 現場では平静を装っていたシムだが、「一日の終わりに『今日何回溺れ死にかけた?』と自分に問いかけていました」と緊張と恐怖の日々だったと吐露している。一方で、演じた役のモデルであるデイヴ・ユアサ氏本人と撮影現場で対面し、「デイヴはとてもストイックかつ現実的で、感情をほとんど表に出さない。彼に会えてとても興奮したし、本当に光栄だったよ」と、撮影を全力で乗り切ったエピソードを明かしてくれた。

画像: 映画『ラスト・ブレス』予告篇|9月26日(金)ロードショー www.youtube.com

映画『ラスト・ブレス』予告篇|9月26日(金)ロードショー

www.youtube.com

『ラスト・ブレス』9月26日(金)より、新宿バルト9ほか全国ロードショー

出演:ウディ・ハレルソン、シム・リウ、フィン・コール、クリフ・カーティス
監督:アレックス・パーキンソン 原作:ドキュメンタリー『ラスト・ブレス』(メットフィルム)
脚本:ミッチェル・ラフォーチュン、アレックス・パーキンソン&デヴィッド・ブルックス

© LB 2023 Limited
配給会社:キノフィルムズ

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