大人のための悪夢のような絵本
薬物乱用、暴行事件、飢餓などが日常的に頻発するスラム街に暮らす子供たちの「非日常的な日常」の危険性を訴えるために、アメリカの広告代理店が「大人のための絵本」を製作した。
子供たちの教育などを支援する「ユース・アンバサダー・プログラム」のために、通常の絵本と全く同様のサイズやイラストのタッチで描いた絵本が衝撃的すぎると話題になっている。
3つの物語が掲載されているこの絵本の中から、物語の1つご紹介します。
「お兄ちゃんたち」
「私には3人のお兄ちゃんがいます。私はお兄ちゃんたちが大好きです。でも…お兄ちゃんたちは、よいことばかりするわけではありません」
「1番上のお兄ちゃんは、銀行強盗をして刑務所にいます」
「2番目のお兄ちゃんは、まっ昼間に男の人を銃で11回撃ちました。その男の人は、お兄ちゃんにお金を借りていて、そのお金を返してくれませんでした」
「そして3番目のお兄ちゃん。知らない男の人にトイレでレイプされそうになったので、首を絞めて殺しました」
「私はお兄ちゃんたちが大好きです。でも…お兄ちゃんたちは、よいことばかりするわけではありません」
「私みたいな話がなくなるように、助けてください」
今回ご紹介した「お兄ちゃんたち」というタイトルのストーリーは、実話にもとづいた物語で、この話をしてくれた子供の口調を忠実に再現して作ったのだそう。
普段の生活では知らなかった現実を生きている子供たちが世界にいることを、この絵本を通して気付くことができる。
こうした子供たちを救う第一歩として、より多くの人が「非日常的な日常」が存在していることを認識することが大切なのではないのだろうか。
※2017年7月24日に文言等を修正し再度公開しました。