年末年始にかけて来日したアメリカ人ユーチューバーのローガン・ポールが、自殺の名所として知られる青木ヶ原樹海、通称「富士の樹海」で動画を撮影。自殺者の遺体が映っているのにも関わらず、ネット上で公開したとして海外で大きな物議を醸している。

自殺者の遺体を撮影し公開

 無謀なチャレンジやどっきり動画などで人気を博し、1500万人を超えるYoutubeチャンネル登録者数を持つ人気ユーチューバーのローガンは、友人や現地ガイドらとともに青木ヶ原樹海へ。

 樹海の奥へと進みながら周囲の様子を撮影していたところ、木にロープをくくり付けて亡くなっている男性の首吊り死体に遭遇。

画像: 自殺者の遺体を撮影し公開

 ローガン一行が「これはYoutubeの歴史に名を残す瞬間になるぞ」、「これはすごくリアルだ」などと、驚きのリアクションを見せる様子などが映し出された動画には、顔にこそモザイクがかけられていたものの、男性の遺体がはっきりと写っていたことから、「死者への配慮に欠ける」、「自殺を面白がっている」、「無神経すぎる」と世間の人々から批判が殺到した。

画像: ディズニー映画『トイストーリー』の人気キャラクターである緑色のエイリアンのハットを被ったふざけた出で立ちのローガンが、ひきつったような笑みを浮かべる姿も写っていたことも批判の対象に。©Youtube/ Logan Paul

ディズニー映画『トイストーリー』の人気キャラクターである緑色のエイリアンのハットを被ったふざけた出で立ちのローガンが、ひきつったような笑みを浮かべる姿も写っていたことも批判の対象に。©Youtube/ Logan Paul

  

セレブからも怒りの声が

 600万回以上視聴された該当動画は、その後削除。ローガンのチームは「映像を通じて自殺予防になればという思いがあった」と釈明したものの、有名セレブらからも非難の声が相次ぐ事態に発展。

 ツイッター上では数々のセレブたちがローガンに向けて怒りのメッセージを発信した。

「ローガン・ポール、あなたは馬鹿ね。あなたの行為はぜんぜん自殺予防の呼びかけになんてなってない。あなたの釈明は自画自賛的だし、あなたみたいな人が成功するべきじゃない。あなたがあの自殺者の男性が経験した苦しみを経験するようなことにならないことを神に祈るわ」―ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』の女優ソフィー・ターナー

「なんてことするんだ! お前にはウンザリだ。お前みたいな奴が若者に尊敬されているなんて信じられない。すごく悲しいよ。この動画を見て、人々が目を覚ましてくれることを願うよ。お前はゴミ同然だ。自殺は笑いのネタじゃない。馬鹿野郎! 」
―ドラマ『ブレイキング・バッド』のアーロン・ポール

画像: 左:ソフィー・ターナー、右:アーロン・ポール。

左:ソフィー・ターナー、右:アーロン・ポール。

  

ローガンが謝罪

 海外では昨今、鬱などに悩み自殺願望を抱いてしまう人々を救おうと自殺防止を呼びかける声がとくに高まっており、今回のローガンの配慮に欠ける行動は、「許されるべきではない」と訴える人が続出。

 事態を受け、ローガンは自身のツイッター上で謝罪文を公開。

ローガンの謝罪文全文

 「再生回数を稼ぐためにこの動画を公開したのではありません」、「ネット上に何かポジティブな影響をもたらせると思いました」、「自殺防止を呼びかけたかったのです」、「自分の動画にここまで大きな影響力があるとは思いませんでした」などと綴ったが、ローガンを「Youtubeから追放するべきだ」という声が多く上がっている。

 さらに、その後、謝罪動画を公開したローガンは、涙目で自身のあやまちに対する後悔を口に。動画の視聴者や自殺者の男性、その遺族に向けて懺悔の言葉を述べたが、それでも彼の行為への非難の声は鳴り止んでいない。

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