世界の終わりを、ティルダ・スウィントンが歌で描く。ジョシュア・オッペンハイマー監督の最新作『THE END(ジ・エンド)』が、この冬、観る者を異形の美へと誘う。『アクト・オブ・キリング』で加害者の狂気を暴いた監督が、今度は“終末のユートピア”という虚構を突きつける。
地上が死んだあとの地球。母、父、息子が地下に築いた小さな楽園に、ある日、外の世界からひとりの少女が現れる。その瞬間、密室のバランスは崩れ、抑圧された感情が溢れ出す。
本予告では、色彩と音楽が狂気のように渦を巻く。装飾に埋もれた部屋、冷たい塩坑、そして笑いながら踊る家族。ティルダ・スウィントンの歌声が、その不気味な美しさをさらに際立たせる。キャッチコピー“その歌は、真実か嘘か――”が示すように、彼らが歌うのは希望の讃美歌か、それとも虚構の鎮魂歌か。
ミュージカルという形式を選んだことで、オッペンハイマーは終末の風景をより残酷に、より詩的に描き出す。ジョージ・マッケイ、マイケル・シャノンといった名優が加わり、破滅へと進む人間の“演奏”を奏でる。
『THE END』――その題名通り、これは世界の終わりではなく、人間の本質が暴かれる“始まり”なのかもしれない。
2025年12月12日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国公開
監督:ジョシュア・オッペンハイマー
脚本:ジョシュア・オッペンハイマー ラスムス・ハイスタ―バーグ
出演:ティルダ・スウィントン ジョージ・マッケイ モーゼス・イングラム
ブロナー・ギャラガー ティム・マッキナリー レニー・ジェームズ / マイケル・シャノン
原題:The End/2024年/デンマーク・ドイツ・アイルランド・イタリア・
イギリス・スウェーデン・アメリカ合作/148分/シネマスコープ/カラー/デジタル/字幕翻訳:松浦美奈
配給:スターキャットアルバトロス・フィルム 宣伝:東映ビデオ
(C)Felix Dickinson courtesy NEON ©courtesy NEON
公式HP:https://cinema.starcat.co.jp/theend/
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