TikTokで広がる極端な食事法「カーニボア・ダイエット」とは


植物性食品をいっさい排除し、肉と魚だけを食べる「カーニボア・ダイエット」という食事法が世界的なトレンドになっているようだ。TikTokでは「#carnivorediet」のタグに19万本超の動画が集まり、30日チャレンジを記録するユーザーが急増。しかし専門家は、科学的根拠の乏しさと長期リスクを指摘している。(フロントロウ編集部)
「植物は必要ない」!?——カーニボア・ダイエットとは
「カーニボア」とは肉食動物を意味し、「カーニボア・ダイエット」は、肉、魚、動物性脂肪、低乳糖乳製品のみを摂取し、野菜、果物、穀物をすべて排除する食事法だ。
英Science Focusによれば、支持者たちは「植物に含まれる”有害成分”や農薬残留物が健康を損なっている」と主張し、炭水化物を大幅に減らし、脂質を多く摂る「ケトジェニック・ダイエット」をさらに極端にしたアプローチとして広まっている。朝食はたまごとベーコン、昼はチーズ入りミートボール、夕食はローストビーフとサーモン——といった一日の献立がSNSなどで紹介されている。
肉には、良質なたんぱく質、鉄分、亜鉛、セレン、ビタミンD、B6、そしてB12が豊富で、魚にはオメガ3脂肪酸とヨウ素が含まれる。こうした栄養価の高さが、支持者が「体の不調が改善した」「炎症が消えた」と語る背景にある。
30日チャレンジ——体に起きる変化のパターン
TikTokでの30日チャレンジでは、開始直後に疲労感や頭痛、糖質への強い渇望など、“ケトフルー”と呼ばれる不調を訴えるユーザーも多い。これは、糖質を大幅に減らした際に、体が脂肪をエネルギー源として使う状態へ切り替わる過程で起こる一時的な反応とされている。一方で、数週間後には「頭がすっきりした」「膨満感が減った」といった体験談も投稿されている。
しかし体内では見えないリスクも進行する可能性がある。スペイン系メディアokdiario Metabolicによると、とあるユーザーは30日後の血液検査でテストステロン値が低下していたことを報告し、体型の変化だけでは気づけない副作用の可能性が話題を呼んだ。
専門家が警告する「3つの栄養リスク」
英Science Focusによれば、カーニボア・ダイエットが体に与える長期的な影響を調べた十分な科学的エビデンスは、現時点では不足している。そして、専門家がとくに懸念するのは次の3点だ。
食物繊維の摂取量が多い人ほど、心疾患や2型糖尿病、大腸がんのリスクが低いことが複数の研究で示されており、食物繊維を極端に制限した場合の長期的な影響はまだ十分に分かっていない。また、赤肉の過剰摂取がLDLコレステロールを上昇させる可能性があるとされる。さらに、ビタミンC、マグネシウム、カリウム、そして葉酸など植物性食品から主に摂取される栄養素の不足も懸念される。
体験談の熱量とは裏腹に、支持者が語る多くの効果は、まだ科学的には十分検証されていない。気になる人は試す前に、医師や栄養士への相談が欠かせない。












