Prime Videoで8月11日(金・祝)独占配信開始の映画『赤と白とロイヤルブルー』。米国大統領の息子アレックスと英国王室のヘンリー王子を演じるニコラス・ガリツィンとテイラー・ザハール・ペレスのオフィシャルインタビューが到着した。(フロントロウ編集部)
『赤と白とロイヤルブルー』とは
『赤と白とロイヤルブルー(原題:Red, White & Royal Blue)』は、ケイシー・マクイストンによるニューヨーク・タイムズ紙のベストセラー小説を映画化した、米国大統領の息子と英国の王子が織りなすロマンティック・コメディ。

主人公は、アメリカ初の女性大統領(ユマ・サーマン)の息子であるアレックス・クレアモント=ディアス(テイラー・ザハール・ペレス)とイギリスのヘンリー王子(ニコラス・ガリツィン)。圧倒的な美貌、誰もが認めるカリスマ性、国際的な人気…そして、互いに軽蔑しあっているという共通点を持つ2人。海を隔てていることから、これまで長年の確執が問題になることはなかったが、ある王室行事での2人の酷い口論がタブロイド紙のネタにされてしまい、最悪のタイミングで米英関係に亀裂を入れることとなる。
どうにか事態を修復しようと画策する2人の家族と責任者は、ライバル同士の2人を強制的に「休戦」に持ち込む。しかし、アレックスとヘンリーの険悪な関係が解け始め、思いがけない友情が芽生え始めると、2人の間にあった軋轢が、予想以上に深い何かを呼び起こす。
ブロードウェイ劇『インヘリタンス』でトニー賞を受賞した劇作家マシュー・ロペスの長編映画脚本・監督デビュー作。
テイラー・ザハール・ペレス&ニコラス・ガリツィンの公式インタビュー
イギリスのヘンリー王子を演じるのは、Amazon Original Movie『シンデレラ』でも王子役を演じた、今年29歳になるイギリス人俳優ニコラス・ガリツィン。アメリカ大統領の息子アレックス役を演じるのは、『キスから始まるものがたり』でブレイクした、今年32歳になるアメリカ人俳優のテイラー・ザハール・ペレス。

―原作とストーリーについて
ニコラス(ヘンリー王子):本については知りませんでした。この本が持つファンダム(※熱狂的なファンたち)には、良い意味で驚かされましたね。LGBTQIA+コミュニティ内だけでなく、幅広い層で支持されているのですから。脚本に関しては、とても興味深いキャラクターだという印象を受けました。私が好んで演じる人物の特徴をよく備えたキャラクターで、強さを装いながら、内面は非常に傷つきやすく、非常に感情的な人物です。この映画の脚本には、古典的なロマコメの特徴であるポップさがたくさんあった。テンポがよく、ユーモアのセンスもあった。そして私はマシューと彼の劇作家としての仕事を知っていたので、それらすべてがひとつになって、エキサイティングなプロジェクトに参加できる機会のように思えたのです。
テイラー(アレックス):オーディションを受けるまで、『赤と白とロイヤルブルー』については知りませんでした。ある人から電話がかかってきて、ハリウッドで企画が進行中で、君ならこの役にぴったりだと思う、と言われたのです。それでKindleで本を買って、週末に読んだのですが、本当に素晴らしかった。登場人物たちと一緒に感情的な旅をしている自分に気づいたのです。読み終わる頃には、この映画にぜひ参加したいと強く思っていました。そして脚本を手にした。作品を映像化するときは原作を朗読しているわけではないので、新たなアート作品として確立するためにも大なり小なり変更が加わります。そんななかマシューは、脚本で本の核心を見事に表現したと思っています。何人かの登場人物は映画には出てきませんが、心と愛はそこにある。マシューは、登場人物を、とくにアレックスの少年から大人への旅を見事に描き出したと思います。
―ロマコメ映画としての作風について
ニコラス(ヘンリー王子):今は、より多くのクィアストーリーが語られる時代です。『ハートストッパー』や『ヤング・ロイヤルズ』は大成功を収めました。この本のファンの多くが、これらの番組のファンでもあるのです。我々は今回、映画という形で同じ道を歩んでいます。この作品は現代的なロマンスであり、シチュエーションは一般の人たちとは少し違うかもしれない。でも、彼らのシチュエーションはとても共感できるものだと思います。クィアラブストーリーそのものを超えて、これは境遇や生い立ち、責任に囚われた2人の物語であり、それがいかに愛の邪魔をするかということなのです。それはとても普遍的な感情でもあると思います。だから、モダンで新しく、そして伝統的でもあるのです。
テイラー(アレックス):マシューは素晴らしい仕事をしたと思います。結局のところ、物語の中心にあるのはハートです。登場人物のセクシュアリティは関係なく、彼らの旅が重要なんです。冒頭から、この2人のキャラクターには好きにはなれないところがあるかもしれないが、観客は2人に恋をし、2人は互いに惹かれ合い、他のことはすべて忘れてしまう。観客はこの2人と彼らを取り巻く人々に感情移入する。彼らのハッピーエンドを心から応援したくなる。この映画を観たときに、何度も歓声が上がり、終始笑いが起こっていたとある人が教えてくれました。彼いわく、いつもは起こらないようなユニークで特別な体験だったそうです。これは(原作者)ケイシーの作家としての才能、脚色を担当したマシュー・ロペスとテッド・マラワー、そしてキャストのおかげだと思います。これは、様々な意味で型破りで、ロマコメの新しいお手本となるべき作品だと思います。なぜなら、ロマンチック・コメディで最も重要なのはハートだからだ…そしてもちろんコメディも。

―最もお気に入りの共演シーンについて
ニコラス(ヘンリー王子):俳優の立場から言えば、ロイヤルウエディングのケーキのシーンに勝るものはない。今までに経験したことがないほど楽しい演技でした。その後の数日間は、耳やちょっとした割れ目から(ケーキの)アイシングを取り除いていましたよ。その後すぐにシャワーを浴びたんですが、それでも取れないところがありましたからね。でもとにかく、とても楽しかった。クルー全員が交代でケーキをつかんで私たちに投げつけてくれた。とても絆を深めることができました。キャラクターという観点から見ると、ヴィクトリア&アルバート博物館での2人の時間は、2人の関係を決定づけた瞬間としてとても印象に残っています。ヘンリーは最後まで隠していた自分の弱さを分かち合い、パンドラの箱を開けるような形で、アレックスに「これが僕の人生なんだ。怖いけど、このリスクを喜んで引き受けるよ」と言うのです。
テイラー(アレックス):アレックスは、信じられないほど同情的な面を持ちながら、すごく不愛想な一面も持つ。彼の行動には二面性があるのです。ヘンリーと過ごす時間が長ければ長いほど、彼は2人の関係に傾倒し始める。大晦日にヘンリーがアタックしてきたとき、彼は完全に混乱状態に陥ります。ノラとの会話で、本当に彼を好きなんだと気づくまではね。アレックスは、新しい恋愛に加え、自分のセクシュアリティと政治的願望を探求し、感情的で成熟するための旅を続けている。2人の関係は成長を続け、障害が現れても止めるには遅すぎるという暴走列車と化す。私たちは、関係が構築される瞬間、あるいは一歩後退する瞬間のひとつひとつを、実に綿密に、具体的に描く必要があったのです。

―セクシュアルなシーンについて
テイラー(アレックス):親密なシーンは、パッションにあふれた瞬間なのか、それとも優しくソフトな経験なのか、そのシーンに合わせて振り付けがありました。人間関係にはさまざまなレベルがありますが、私たちは、映画を通してそれらを探求することができました。最終的には、彼らの旅は美しく、誰もが共感できるものだと思います。人間的な経験を共にする2人のラブストーリーであり、とても素晴らしいものです。
―お互いとの共演について
ニコラス(ヘンリー王子):第一に、そもそもこの関係には対立があるから、ある意味、相手の演技に合わせて演技するという関係にあるのです。ぶつかり合える相手であることが重要でした。テイラーは元来ウィットに富んだ人で、すぐにお互いのユーモアのセンスを理解できました。一緒に演技をしている人たちと友達になれるとは限らない。その点、私はとてもラッキーでした。これまで素晴らしい共演者に恵まれてきましたが、テイラーは、本当に頭が良くて、カリスマ性があって、とても面白い。私たちが達成できたと思う平穏な瞬間は、脚本にある重苦しい場面と見事に並置することができた。テイラーは、その喜びをもたらすために本当に不可欠だったのです。
テイラー(アレックス):ニックと私は、本の中に出てくる性的な瞬間を、リアルできちんとした形で表現する責任を感じました。ロビー・テイラー・ハントというインティマシー・コーディネーターに出会えたのは本当に幸運でした。僕らは彼と一緒に、それぞれの瞬間、それぞれのシーンのニュアンスを細かく分析したのです。ニックとはすぐに意気投合し、この映画が原作のファンにとって何を意味するのかを2人とも理解していました。一緒に似たような責任の重さを感じながら、私たちは一緒にそれを引き受け、信頼関係を築いていった。より親密で張り詰めた瞬間を撮影するときは、撮影の合間に平穏さをもたらすさまざまな方法を見つけました。マシュー(・ロペス)もいつもそこにいてくれて、この物語に命を吹き込むという私たちの共通の目標に立ち戻らせてくれました。ニックは素晴らしい共演者で、スクリーン上で強い絆を築けたことを本当に嬉しく思っています。

―ヘンリーとアレックスというカップルについて
ニコラス(ヘンリー王子):愛はすべてに打ち勝つという単純な話ですよ。その人のバックグラウンドやセクシュアリティに関係なく、私たちは常に障害や伝統に直面します。社会としてものすごいスピードで変化しているので、邪魔をしようとするものが出てくるのです。そんななか、これは、2人がお互いとの愛が何よりも大切だと信じているということだと思っています。そして、お互いのために何かを犠牲にすることを厭わない。それって、誰もが共感できる美しい原則だと思います。
―マシュー・ロペス監督について
ニコラス(ヘンリー王子):初めて映画を作る人と仕事をするのは、他人からの影響のせいで声を失っていないという意味で、いつもとても魅力的なことです。マシューの場合は、初日からそれが露骨に表れていたと思います。彼には強い意志と声があり、この映画で何をしたいのかを明確にわかっていた。それはジャンルに関係なく、私が惹かれる映画監督の魅力です。自信に満ち溢れ、強い声を持っている映画監督であれば、俳優として信頼し、一緒に旅に出ることができます。マシューには間違いなくそれがありました。それに、卓越したユーモアのセンスもね。

―ユマ・サーマンとの共演について
テイラー(アレックス):ユマは素晴らしい方です。初めて会った日、母子関係を築くためにハグしていいか尋ねたら、彼女はただ抱きしめてくれました。彼女はとても強い人で、そのエネルギーを撮影現場にもたらしてくれました。愛情深くもしっかりしていて、プロフェッショナルでありながら決して冷たくない彼女は、キャラクターに様々な深みを出してくれました。私は彼女の映画を見て育ったので、彼女とシーンを共有するなんて信じられないことです。彼女が持つ尊厳、優しさ、仕事への愛情に近づきたいと思いました。
首相主催の晩餐会を撮影したとき、おかしなことがあったんです。私のセリフはあと5~6行ほど残っていたのですが、目の端にユマと(英国首相役の)シャロン・D・クラークがモニターに近づいて撮影を見ているのが見えたんです。彼女たちが私を見ているのを見て、私は頭の中が真っ白になり、マシューにもう1テイクお願いしなければならなかった。素晴らしい俳優さんたちが自分の作品を見てくれていると思うと、信じられない経験だったからです。少し緊張しましたが、やりきりましたよ。

―映画が多様な観客にもたらすレプリゼンテーション(表象)について
ニコラス(ヘンリー王子):この業界はここ数年で大きく進歩しましたが、このような物語がスクリーンで描かれることが当たり前になりつつあることは大事です。この映画には、健全さがあり、感情的な核がある。私たちが知っているロマンティック・コメディの特徴をすべて備えている。この映画を見て、自分自身が何らかの形で表現されていたり、心に響いたりすることを期待しています。この映画にはたくさんの愛とたくさんのファンサービスが込められています。とても楽しい映画だと思うし、観ている人がそれを感じてくれたら嬉しいです。
テイラー(アレックス):トランス・コミュニティであれ、LGBTQコミュニティであれ、インド系コミュニティであれ、ペルシャ系コミュニティであれ、ラテン系コミュニティであれアメリカの大統領になりたがっている世界中の女性たちであれ、この映画にはたくさんのレプリゼンテーション(表象)があります。この映画では、すべてがしっくりくるし、複雑さや、『インクルーシブにやった私たちを見てください』という感じもしない。これは私たちの現実からそう遠くない現実なんです。本当にエキサイティングなことですよね。
カメラの前でも後ろでも、多様なジェンダー、セクシュアリティ、人種のレプリゼンテーションが見られることはこの映画の素晴らしいことです。これらの選択はすべて極めて意図的なものであると感じられ、この映画が持つビジビリティ(可視性)を考えると、ワクワクします。この映画を観た人が、自分とは違う人々への思いやりと、他の誰かの人生における自分の役割への理解を深めてくれることを願っています。もしあなたが登場人物に共感できなくても、もしかしたらあなたの人生には共感できる人がいて、この映画があなたの人間関係に優しさと理解をもたらす手助けになるかもしれない。全体として、この映画がセクシュアリティを超越したひねりの効いた古典的なラブストーリーであることを感じ取ってほしいです。
映画『赤と白とロイヤルブルー』はPrime Videoで8月11日(金・祝)独占配信開始。