アメリカ最後の1セント硬貨が、コレクター市場で数億円の値をつけるかもしれない。(フロントロウ編集部)
たった1セントが500万ドルになるかも
2025年11月12日、アメリカで232年の歴史を持つ1セント硬貨、通称「ペニー」の製造が正式に終了した。これにともない、最後に打たれた5枚の特別なペニーが今後オークションに出品される予定で、その価値が1枚あたり数百万ドル(数億円)に達する可能性があると大きな注目を集めている。
米TMZなどの報道によれば、この5枚のペニーは、流通用通常硬貨と同じ工程で製造されたものだが、一般に流通させる予定はなく、オメガマークが刻印された特別仕様として財務省が厳重に保管しているのだという。つまり、コレクター市場向けの特別仕様として扱われているのだ。
この点について、コイン専門家でGreatCollectionsのマネージングパートナー、ジョン・ファイゲンバウム氏はこう語っている。「オメガマーク付きの最後の公式な流通用通常硬貨であるという事実が、信じられないほど魅力的なものにしています。コレクターたちは間違いなく熱狂するでしょう」
米USA Todayによると、オークションの開催時期や詳細については、財務省からまだ正式な発表がないという。それにもかかわらず、すでに1枚あたり200万~500万ドル(約3億~7.5億円)になるのではないかといった見方が広がっており、激しい入札が予想されている。
そもそもペニーの製造終了には、製造コストの問題があった。2024年時点で1セントである1枚のペニーを作るのに約3.69セントもかかっており、名目額を大幅に超えていた。
なお、今回の終了はあくまで新たな製造停止であり、現在流通中のペニーが使えなくなるわけではない。米財務省によると、現在アメリカ国内にはおよそ3000億枚のペニーが流通しており、既存のペニーは今後も法定通貨として有効であり、日常的な利用は当面継続される。














