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「この旅、大丈夫?」空港ですでに不穏な空気…ちぐはぐ父娘のロードムービー『旅の終わりのたからもの』冒頭映像解禁

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BY FRONTROW Press
「この旅、大丈夫?」空港ですでに不穏な空気…ちぐはぐ父娘のロードムービー『旅の終わりのたからもの』冒頭映像解禁

映画『旅の終わりのたからもの』の冒頭映像が解禁された。その内容は、家族旅行という言葉から想像される穏やかさを、いとも簡単に裏切るものだ。空港で再会した父と娘。その一瞬で、この旅が平坦では終わらないことがはっきりと示される。

主人公は、成功しているはずなのにどこか満たされない娘ルーシーと、50年ぶりに祖国ポーランドへ戻る父エデク。同じ「家族の歴史を辿る」という目的を持ちながら、二人の視線は決して交わらない。几帳面で神経質な娘と、気ままで陽気な父。そのズレが、冒頭から容赦なく描かれていく。

大遅刻して現れたエデクに呆れるルーシー。空気を読まずに振る舞う父に、我慢は早くも限界寸前だ。駅へ向かう途中の何気ないやり取りが、なぜここまで緊張感を帯びるのか。それは、この旅が単なる観光ではなく、過去と向き合う時間だからにほかならない。

列車を前にして拒否反応を示すエデクの姿は象徴的だ。乾いた汽笛の音に硬直する表情が、語られない歴史の存在を浮かび上がらせる。ホロコーストという重すぎる記憶は、冗談や軽口では決して消えない。その現実が、親子の間に静かな溝を生んでいる。

ロードムービーとしての本作は、笑いと痛みが同時に訪れる構造を持つ。灰色がかった1991年当時のポーランドの風景が、二人の心情と重なり、旅の空気をよりリアルなものにしている。

衝突しながらも進む道の先で、父と娘は何を手にするのか。その“たからもの”は、観る者自身の心にも問いを投げかける。『旅の終わりのたからもの』は1月16日公開。この気まずくも切実な旅は、今冬、見逃せない一本である。

<STORY>

1991年、両親の故郷であるポーランド・ワルシャワにNY生まれのルーシー(レナ・ダナム)が初めて降り立つ。ホロコーストを生き抜き約50年ぶりの帰郷となる父エデク(スティーヴン・フライ)も一緒だ。自身のルーツを探りたいルーシーの計画を次々に潰していく父に、ルーシーは爆発寸前。アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所を訪れ初めて父の口から恐ろしい記憶を聞くも、2人の心の溝は埋まらない。ついに父と別れNYへ帰ると決めたルーシーを、父は思いがけない場所へと連れていく――。

<クレジット>

監督:ユリア・フォン・ハインツ 原作:「Too Many Men」 リリー・ブレット著

出演:レナ・ダナム(「GIRLS/ガールズ」)、スティーヴン・フライ(「シャーロック・ホームズ シャドウゲーム」)

2024/独、仏/英語、ポーランド語/112分/カラー/5.1ch/スコープ/字幕翻訳:渡邉貴子/原題:TREASURE

提供:木下グループ 配給:キノフィルムズ

? 2024 SEVEN ELEPHANTS, KINGS&QUEENS FILMPRODUKTION, HAI?KU FILMS

公式サイトtreasure-movie.jp  公式X: @kino_arthouse(キノフィルムズ・アートハウス部)

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