カンヌが見出した“ダークホース”が、ついに日本へと辿り着く。第78回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞し、さらに第98回アカデミー賞ドイツ代表にも選出された映画『SOUND OF FALLING』が、『落下音』の邦題で2026年4月3日、日本公開される。公式上映後、テレンス・マリックやミヒャエル・ハネケ、デヴィッド・リンチといった巨匠の名が引き合いに出されながらも、いずれの系譜にも回収されない独自性が語られた本作は、映画祭における最大の驚きのひとつとなった。
監督はドイツ出身の新鋭マーシャ・シリンスキ。長編2作目にしてコンペティション部門に選出され、初参加ながら審査員賞を獲得するという異例の快進撃は、世界の批評家に強烈な印象を残した。「映画言語を更新する才能」「今年のカンヌで最も記憶に残る作品」といった評価が相次いだのも頷ける。
物語の舞台は北ドイツのとある農場。1910年代、1940年代、1980年代、そして現代という4つの時代を生きる4人の少女が、それぞれ同じ土地で説明不能な出来事に直面する。幼くして死んだ少女の気配に気づくアルマ、戦争の影と自身の欲望に戸惑うエリカ、得体の知れない視線に怯えるアンゲリカ、存在が消えてしまいそうな孤独に侵されていくレンカ。百年の時を隔てながら、彼女たちの体験は静かに共鳴していく。
『落下音』が描くのは、幽霊譚でも単純なホラーでもない。そこにあるのは、まだ名前を与えられていない〈不安〉そのものだ。何かがいる、何かが見ている、しかしそれが何なのかは決して明示されない。その曖昧さこそが、観る者の感覚を深く侵食していく。
解禁された特報は、時間が停止したかのような空間と、ノイズのように響くサウンドが重なり合い、心にざわめきを残す。ポスターに添えられた「生きているのか、死んでいるのかはどこでわかるの?」という言葉は、本作が投げかける根源的な問いそのものだ。ギャガが新設したアートハウス映画レーベルNOROSHIの第2弾として送り出される本作は、日本の観客にとっても忘れがたい映画体験となるはずである。
<STORY>1910年代、アルマは同じ村で、自分と同じ名を持つ幼くして死んだ少女の気配に気づく。
1940年代、戦争の傷跡が残る中、エリカは片足を失った叔父への抑えきれない欲望に気づき、自らの得体のしれない影に戸惑う。1980年代、アンゲリカは常に肌にまとわりつく“何か”の視線に怯えていた。
そして現代、家族と共に移り住んだレンカは、自分の存在が消えてしまいそうな孤独感に徐々に侵食されていく。
百年の時を経て響き合う彼女たちの<不安>が、この北ドイツの農場を静かに覆いつくしていく――
監督・脚本:マーシャ・シリンスキ
出演:ハンナ・ヘクト、レア・ドリンダ、レーナ・ウルツェンドフスキー、レーニ・ガイゼラー
配給:NOROSHI ギャガ|英題:SOUND OF FALLING |2025年|ドイツ|カラー|ビスタ|5.1ch|155分|
字幕翻訳:吉川美奈子|PG-12|(C) Fabian Gamper – Studio Zentral
<公式HP>gaga.ne.jp/sentvalue_NOROSHI
<SNS>X、instagram: @noroshi_gaga
4月3日(金)新宿ピカデリー ほか全国ロードショー














