【フロントロウ編集部】
米テキサス州のラジオ局HITS105が、マドンナの全ての楽曲の放送を無期限で禁止すると発表し、波紋を呼んでいる。トランプ大統領就任に抗議する「女性のマーチ」での彼女のスピーチが「非国民的」だったのが理由だという。
Photo: ニュースコム、シンクストック/ゲッティイメージズマドンナはこのスピーチの中で、「ホワイトハウスを爆破したい」と発言し、放送禁止用語の「クソくらえ」も連発。その様子を生中継していたCNNやMSNBCも場面を切り替えるなど対応に追われ、「爆破したい」という発言そのものも問題視されていた。
「マドンナに経済的なメッセージを送ろう」
今回、放送禁止を決定したラジオ局は、「マドンナの全楽曲を放送禁止にするのは、政治的問題のためではない。愛国心の問題だ。アメリカ人らしくない発言をしたマドンナに、曲の使用料が発生するのは遺憾」としている。また、全てのラジオ局に対し、「マドンナに強力な経済的メッセージを送ろう」と、同じ行動を取るように呼びかけている。
マドンナは、スピーチの後に自身のインスタグラムで、「私は暴力的な人間ではない」と釈明し、一つのフレーズではなく大きな文脈でとらえて欲しかったとしている。過激な発言や行動が原因でマドンナが放送禁止措置を取られるケースは以前にもあったけれど、果たして今回の騒動はどこまで広がるのか?
マドンナ「女性のマーチ」スピーチ全訳
テレビ局が画面を切り替えるなどの対応に追われた、「女性のマーチ」でのマドンナのスピーチを全訳でご紹介します。
ハロー。
まだ起きてる?
本当に起きてる?
私の声が聞こえる?
世界を揺るがす準備はできてる?
愛の革命へようこそ。独裁政治による新時代を拒否し、それに反逆するための活動へようこそ。この新時代は、女性のみならず社会の主流から取り残されたすべての人の立場を危険にするかもしれない。個性を持つことは犯罪だと言うかもしれない。
これだけの暗闇を見せられて、ようやく私たちは目がクソ覚めたわ。
私たちニセモノの安心感を持ってしまっていたようね。最後には正義が勝利して善が悪を倒すと。ただ、今回の選挙では善は勝たなかった。でも最後には絶対に善が勝つわ。つまり、私たちはまだまだ終わりにいないってこと。今日は私たちの物語のはじまりよ。自由に生きる権利、自分らしく生きる権利、平等に生きる権利の革命はここからはじまるの。この暗闇の中いっぽいっぽ一緒にマーチしましょう。私たちは恐れていない。私たちはひとりじゃない。私たちは諦めない。私たちの結束にはパワーがあり、どんな反対勢力もホンモノの団結には勝てない。
そしてこのマーチには効力はないと言っている反対者たちへ。くそくらえ。
くそくらえ。
これは今が必要としている変化のはじまりなのよ。そしてみんな、変化を起こすためには犠牲もはらわなくてはいけないわ。人生において今までとは違う選択をする場面が出てくるはず。でもこれが革命の証なの。
だからあなたたちに聞くわ。準備はできてる?準備はできてる?イエス、準備はできてるって言うのよ!イエス、準備はできてるって言うの。もう一回言って:準備はできてる!
イエス、私は怒っている。イエス、私は激怒している。イエス、私はホワイトハウスを爆破することを何度も考えた。でもそんなことをしても何も変わらないと分かっている。絶望していてはダメ。詩人のW・H・オーデンが第二次世界大戦の時に言ったように:我々はお互いを愛するか死ぬかのどちらかしかない。
私は愛すことを選ぶわ。私についてきてくれる?みんなで言って:私は愛を選ぶ。私は愛を選ぶ。私は愛を選ぶ。