モデルから女優へと転身し、順風満帆にキャリアを積み重ねている彼女が、ひどい「うつ病」に悩まされていた過去について最近のインタビューで語った。
暗い過去とは無縁そうに見える輝かしい経歴
貴族の血を引くスタイリストの母と不動産デベロッパーの父の元に3姉妹の末っ子として生まれ、イギリスの上流階級で育ったカーラ。
わずか10歳にしてキッズモデルとしての初舞台を経験し、2009年に16歳で本格的にモデル活動を始めると、意思の強そうな眉毛と目元が特徴のクセのある小悪魔フェイスと抜群のプロポーションに加え、誰にでも愛されるお茶目で気さくな性格で大ブレイク。数多くの有名ブランドの広告やランウェイに登場し、トップモデルとして世界中から注目を浴びる存在に。
2012年と2014年には、イギリスでその年最も活躍したモデルに与えられる「モデル・オブ・ザ・イヤー」を受賞。数々の有名ブランドのランウェイを歩き、2013年にはヴィクトリアズ・シークレット・ファッションショーにも登場した。
2014年以降は、以前から夢だったという女優業にもチャレンジし始め、今年は出演作品6作が公開がされるなど、一躍ハリウッドの人気女優への仲間入りを果たした。
笑顔の裏に隠された苦悩
昨年行われた、女性のための支援イベントでの公開インタビューで、10代の頃、自殺を考えるほど悩み、抗うつ剤を飲んでいたことを明かしたカーラ。当時のことを振り返り、こう話していた。
「あの時は、本当に死んでしまいたいと思ってた。生きていたくないと思ったの。すごく孤独だった。私には素晴らしい家族が居て、友達も居て、自分がすごく恵まれてるってことは分かってたけど、当時はそんなことは関係なかったわ。この世界の渦に飲み込まれて消えてしまいたいと思ってた」
―2015年秋に行われた「ウーマン・イン・ザ・ワールド・サミット」での公開インタビューより抜粋
セレブ一家に生まれ、何不自由なく育ったように見えるカーラが、ここまで苦しんでいた原因は、ヘロイン中毒者だった母パンドラの姿を目の当たりにして育ったことにある。
パンドラが薬物を克服しようと努力している間、当時まだ幼かったカーラは、思うように母や家族に甘えることができなかった。その影響で、感情を押し殺すことが得意な子供になってしまったという。
「ママが強くなかった分、『私はそうなっちゃいけない。私は強くならなきゃいけない』って感じていたわ」と、つねに本心を隠して明るく振る舞うことを覚えたとを明かした。
カーラが「うつ病」を克服したキッカケとは?
ひどいときには、森に行って煙草をまるまる一箱吸い、木の幹に何度も頭を打ちつけて気を失おうとしてみたり、血が出るまで自分の脚を掻きむしり続けたりと、自傷行為にまで及んでいたというカーラ。病院送りになり、当時通っていた学校を半年ほど欠席したこともあった。
そんな彼女が、一体どうやって最悪の状態から抜け出すことができたのか?
それは、彼女がモデルとしての仕事に没頭し、そして女優として「演じる」ことの楽しさを知ったことにある。
先週公開された雑誌のインタビューでカーラはこう語った。
「私の心の中にはいつも深い空洞みたいなものがあって、つねに何かで満たされていないといけないの。仕事に没頭しているときは、自分の問題について考えなくてもいいでしょう? それに、役になりきっているときの『自分が消えてなくなる感覚』がゾクゾクして大好きなの」
―雑誌エスクワイア誌のインタビューより抜粋
モデルや女優としての仕事に励むことで、心の痛みから解放される術を身に着けたカーラ。家族や友達と居ても「いつも孤独を感じていた」と話す彼女は、キャリアを通じてやっと自分の居場所を見つけたのかもしれない。
いつも陽気で、周りに居る人たちまでも楽しい気持ちにさせる、まるで太陽のような明るさが魅力の彼女は今週金曜日(8月12日)に24歳のバースデーを迎えた。
天真爛漫な笑顔の裏に隠された意外な過去に驚きを覚えるとともに、若くして自分の道を切り開き、苦悩を乗り切ったその強さに心を打たれる。