次期国王のヴィクトリア皇太子
スウェーデン現国王カール16世グスタフと、王妃シルヴィアの第1子として生まれたヴィクトリア妃。スウェーデンでは王位継承法が改正され、女性も王位につく権利が与えられたため、長女のヴィクトリアは次期国王になる皇太子という地位になる。
わずか18歳で王位継承者となり公務を始めたヴィクトリアは、その計り知れない責任感とプレッシャーで体調を崩し王室が正式に拒食症をわずらってしまったことを発表。病院通いを続け克服するけれど、痩せた体に筋力をつけるために、ジム通いを始めた。
そこで運命の出会いが
そこのジムで、トレーナーとしてヴィクトリアのトレーニングを担当したのが、将来の夫となるダニエル・ベストリングだった。トレーナーをしながら、ストックホルムで3つのジムを経営する実業家のダニエルは、ヴィクトリアを特別扱いすることはなかったそう。
惹かれあった2人はすぐに交際をスタート。しかし、とくに秀でた学歴や経歴がない一般人のダニエルとの交際を国王が許さず、ヴィクトリアが初めて国王に交際を打ち明けた時、無言で立ち去ってしまったそう。それからしばらくは、ヴィクトリアと国王は数ヵ月間一切口を利かない“冷戦”状態に。
国王との正式な食事についに招かれたダニエル
その後、なんとかヴィクトリアは国王とダニエルとの食事をセッティングすることに成功。しかし、公式な場での食事マナーなどに慣れていないダニエルは、一切国王に良い所を見せることはできなかったそう。この頃、ヴィクトリアとダニエルの交際が公になったが、世間の反応は厳しかった。
メディアからもバッシングの嵐
そんな2人の交際に対してメディアは、顔がカエルに似ていると言って「カエルの王子様」と見出しをつけるなど、批判的に報道し、国民もメディアに押され2人の交際に反対する意見が多かった。
国王から結婚の条件として出されたのは…
ヴィクトリアの根気強い説得もあり、ついに国王は結婚の条件をダニエルに出した。その条件とは、スウェーデン王室としてふさわしい教養をつけること。その計画の責任者はスウェーデン軍准将が務め、語学、マナー、歴史など総勢10名の専門家が、さまざまな知識をダニエルに叩き込んだ。普通は途中で投げ出したくなるようなスケジュールだったそう。
8年の交際を経てついに2010年にゴールイン!
ダニエルの努力の結果、2人は交際から7年、この計画を始めてから5年経った2009年についに国王から正式に婚約を認められ、2010年に結婚式をあげた。
結婚式でのダニエルは、スピーチであるエピソードを紹介。
公務でしばらく国を離れなければならなかった時、彼女は出発前夜、寝ずに何かを一所懸命書いていました。そして出発の日、彼女は私に1つの箱を渡しました。その中には、私たちが会えない30日間分の手紙が入っていたのです
このエピソードには、会場から歓声と拍手が鳴りやまなかった。
2012年には第一子が誕生
結婚から2年経った2012年には、第一子となるエステル王女が誕生。生まれた時にはストックホルムの街中に祝砲が鳴り響いたほど、国全体をあげてお祝い。
国民に反対され、メディアからも面白おかしく報道されたダニエルだけれど、愛する人と一緒にいたいという純粋な気持ちと想像を絶する努力が実り、2人の強い愛が証明された。