ヘンリー王子が初めて告白
イギリス王室のヘンリー王子が、母ダイアナ妃が亡くなった事故現場にいたパパラッチについて初めて言及した。
ダイアナ妃はパリで乗車していた車がパパラッチと高速のカーチェイスをした末に起こった交通事故によって、1997年8月31日に帰らぬ人となってしまった。
事故原因を調査した英機関はのちに、車を追跡していたパパラッチと、飲酒運転していたダイアナ妃の運転手の両者に責任があったと発表。
しかし多くの国民がダイアナ妃の車を執拗に追ったパパラッチの責任を重くみており、今回、ヘンリー王子がパパラッチに対して重い口を開いた。
「救助する代わりに写真を撮っていたのです」
ダイアナ妃が突然の死を迎えたのは、ヘンリー王子が12歳の時。そこから母親の死を受け入れられずに長い間、心の病に苦しんでいたこと告白。
そんなヘンリー王子が、母親の事故現場にいたにもかかわらず、救助にあたらなかった一部のパパラッチについてこう語った。
「最も折り合いをつけるのが難しかったことの1つが、ダイアナ妃を(事故現場の)トンネルまで追跡した人と、後部座席で息絶えそうな彼女の写真を撮った人が同じ人物だという事実です」
「母は頭部に重傷を負っていたものの、まだ後部座席で生きていたそうです。事故の原因を作った人たちは救助にあたる代わりに、後部座席で息絶える母の写真を撮っていたのです。そしてその写真は、我が国のニュースデスクに送られた」
事故当時、救助にあたったパパラッチも多くいたが、写真を撮ることを優先したパパラッチもおり、王子はその非常さと、世界中が事故現場の写真に大きく注目したことに対する複雑な気持ちを明かした。
一方、ダイアナ妃の死はその後のメディアの在り方を大きく変えており、イギリスのメディアが自主規制として導入した取材中のハラスメント行為の禁止や、1998年にカリフォルニア州で可決した全米初のパパラッチ対策法も、ダイアナ妃の事件に影響を受けてのことだった。