9歳のドラァグクイーン
日本を含め世界150カ国以上で視聴され、セレブにも多くのファンを持つ大人気リアリティ番組『ル・ポールのドラァグ・レース』。
ドラァグ界の未来のスターを探す同番組の司会を務め、“ドラァグクイーンの師”と仰がれるカリスマ・ドラァグクイーンのル・ポールに憧れて、幼くしてドラァグクイーンの道へと足を踏み入れた少年がいる。
カナダ・モントリオール在住のネミくんは、今年9月で9歳になったばかり。普段は同年代の友だちと一緒に学校帰りにスケボーなどをして遊んでいるという彼には、もうひとつの顔が。
それは、ドラァグクイーンの「ラクテイシア」としての姿。
ある日、『ル・ポールのドラァグ・レース』に登場するドラァグクイーンたちの煌びやかな姿を見て「これはアートだ!」と感動を覚えたネミくんは、自分もぜひやってみたいと、メイクや女装を楽しむように。
「ラクテイシア」と名乗り、両親の勧めでドラァグクイーンの間で人気のヴォ―ギングと呼ばれるダンスレッスンにも通うようになった彼は、弱冠7歳にして本格的にドラァグクイーンとしての活動をスタートした。
憧れのル・ポールと対面
今年5月、ル・ポールの番組の出演者たちが行っている世界ツアー『レック・ザ・ワールド・ドラッグ・ツアー』のモントリオール公演を訪れたラクテイシアは、人気女装家ビアンカ・デル・リオの目に留まり、ステージへ。
この様子がSNSを通じて拡散されると、あっという間に世界中のLGBTコミュニティから注目を浴びることに。
そして、9月にニューヨークで行われたル・ポール主催のドラァグクイーンの祭典『ドラッグコン』に招待されたラクテイシアは、ついに憧れのル・ポールと対面!
9歳にして早くもドラァグ界の師に会うという夢を叶えた。
ドラァグクイーンとしてのカッコよすぎる人生観
米ニュースサイト、60セカンド・ドックスの取材に対し「ドラァグクイーンとしての活動は感情表現の1つ」と話しているネミくん。
10歳にも満たない少年が派手な女装やメイクをすることに、世間ではネガティブな意見もあるが、これについては「子供のドラァグクイーンなんてなかなかいないし、不適切だって言う人もいるけど、『不適切』っていうのは『すごく美しい』っていう意味なんだって思ってる」と独自の価値観を語った。
「女装することは誰かと競うことじゃなくて、みんなが一緒になって何かひとつのことに取り組むっていうことだと思う」と話すネミくんは、人より美しく見えることではなく、家族やコミュニティの人たちとの一体感を楽しんでいるよう。
「わかってくれない人も多いけど、僕はこれがクールだと思うからやってるだけ」と極めて純粋な気持ちでドラァグクイーンとしての活動に情熱を注いでいることを明かしている彼は、世の大人たちに自分の心に正直に生きることの素晴らしさを思い出させている。(フロントロウ編集部)