やけどを負って人生が一変
アメリカに暮らすコートニー・ワルドンに悲劇が訪れたのは、昨年9月、家族とキャンプファイヤーをしている時だった。火を強くしようと、彼女の夫が勢いよくガソリンをかけた際、火の近くに座っていたコートニーの服に数滴のガソリンが飛散。次の瞬間、コートニーの体は瞬く間に炎に包まれていったという。
幸い、奇跡的に命を取り留めたコートニーだったが、病院で目覚めた彼女に訪れたのはさらなる悲劇だった。
「初めて自分の姿を見た時、気を失いそうになった」
米People誌にこう語ったコートニーが目にしたのは、変わり果てた自分の姿だった。この事故により体中に大やけどを負った彼女だったが、なかでも顔のやけどが最もひどく、目もろくに開かないような状態に。
そんな彼女が直面した最初の試練は、5歳になる愛娘のキャロラインちゃんとの“再会”だった。
コートニーがひどいやけどを負ったことを、事前にキャロラインちゃんに説明してあったというが、実際に対面するまで彼女がどのような反応を見せるかはわからない。
そして迎えた再会の日。
最初は呆然と立ち尽くしていたというキャロラインちゃんだったが、コートニーが「ベイビー、私よ。あなたのママよ」と言うと、キャロラインちゃんはコートニーのことをギュッと抱きしめ、そのまましばらく離れなかったという。
このキャロラインちゃんの行動にコートニーはどんなに救われただろうか。「娘だけが私の生きる理由」と話すコートニーにとって、キャロラインちゃんが示した行動は本当に嬉しかったに違いない。
ちなみにこの事故の直後にコートニーの夫は彼女と娘を捨て、家を出たという。事故が起きた原因がこの元夫にあることを考えると、やるせない気持ちになるが、当事者であるコートニーは必死に前を向こうとしている。
「本当は死んでいてもおかしくなかったけど、私は生き残った。世の中には私よりひどい経験をした人がたくさんいる。これまでずっと物事が起きるのには必ず理由があると信じてきたけど、今でもその想いは変わらないわ。神様が私を救ってくれた。だから私にはこの地球に残り、ほかの人を助ける義務がある。ちょうど3日前に、私に起こった出来事を知って『自殺するのをやめた』というメッセージをある女性からもらったの」
こう話すコートニーは、今後、自分が経験してきたことを人々に伝えることで、同じようにツラい経験をした人たちを救っていきたいという。