フロリダ大学で、人種差別的な発言を繰り返す極右運動「オルタナ右翼」の指導者リチャード・スペンサーがスピーチを行い、その周辺にはそれに抗議する人たちがあふれていた。
そこに「オルタナ右翼」の支持者として参加していた、白人至上主義者であるランディー・ファーネス。ナチスのマークが描かれたTシャツを着た彼は、抗議する人たちと激しくモメてあたりは混乱を極めていた。
そんななか、アーロン・コートニーという黒人の男性が現れ、ランディーに急接近。しかしアーロンは、他の人たちのようにランディーを攻撃するのではなく、何度も何度もハグをしながら、「なんで僕のことが嫌いなの?」と問いただした。
そうするとランディーから返ってきたのは、「わからない」という言葉。自分が白人至上主義者にもかかわらず、なぜ自分が黒人を嫌っているのかわからないという。
A nazi and a black man.....America 2017 #SpencerAtUF pic.twitter.com/sSaG36EuOr
— Politics 4 Dummies (@Politics4dum) 2017年10月19日
最初ランディーはアーロンのハグを嫌がり抵抗していたが、最後のほうになるとアーロンの体に手を回して、ハグ。その後、警察から開放されたあと、アーロンの友人と写真も撮影した。
このことについてアーロンは、「これは正しい判断をさせるための第一歩だよ。1つのハグが世界を変える。これってシンプルだろ」とNY Daily Newsに語った。
全世界で絶えない人種差別問題。しかし、よく考えるとなぜ自分が差別しているのかわからない人が多いのかもしれない。
ランディーの「わからない」という答えは、問題の難しさを感じさせる一方で、そこに解決のヒントがあるのではないだろうか。