被害者が名指しで批判
2度のアカデミー賞受賞歴を持つ大御所俳優ケヴィン・スペイシーに突如浮上した未成年へのわいせつ未遂疑惑。
先日、俳優のアンソニー・ラップが、14歳の時にケヴィンの自宅で開かれたパーティで同氏に抱きかかえられ、ベッドに連れていかれたことを米メディアのBuzzfeedに告白。そのままベッドに押し倒されて性的に誘惑をされたが、関係を持つことを拒否してその場から逃げたことを明かした。
当時、同性愛者であることをカミングアウトしていなかったアンソニーは、誰にもそのことを打ち明けることができなかったという。
この事実についてずっと黙っていたが、ハリウッドを揺るがす大物プロデューサーによるセクハラ事件を受け、勇気を出して声を上げる被害者たちの姿を見て告発することを決意。名指しでケヴィンを批判するにいたった。
これに対し、ケヴィンが自身のSNSで声明文を発表。わいせつ未遂疑惑について言及した。
「俳優としてのアンソニー・ラップに多大なる尊敬と敬意をはらいます。彼の話を聞いて大変驚いています。正直に言うと、私はその出来事について覚えていません。多分30年以上前の事だと思います。でももし私がそのような振る舞いをしたのなら、彼に心からお詫びを申し上げます。お酒に酔っていたとはいえ、極めて不適切な行為でした。彼が長年この件について苦しんできたことを心の底から謝ります」
こう謝罪の言葉を口にしたケヴィンは、続けて自身の性的指向についても赤裸々に打ち明けた。
「この一件が私の人生に関するほかの事についても説明する勇気を与えてくれました。私に関する様々な報道があることも、私がプライベートを秘密にしていることが逆に報道を加熱させていることもわかっていました。親しい人たちはすでに知っていましたが、私は今まで男性と女性の両方と交際してきました。そしてこれまで幾度となく男性と恋愛関係を持った結果、これからはゲイとして生きていくことを決めました。今後はこの事実に対して正直に向き合い、自分自身の行動について見つめ直していきたいと思っています」
長年、同性愛者なのではないかという憶測が飛び交っていたケヴィンだったが、この場を借りて自身が同性愛者であることをカミングアウトした。しかし、人々は謝罪の場で同性愛者であることを打ち明けたケヴィンに対し、「話をすり替えようとしている」と強く批判。同業者からもケヴィンの言動を非難する声が相次いだ。
また、未遂だったとはいえ当時26歳だったケヴィンに対し、アンソニーは14歳。れっきとした未成年だったこともあり、「謝って許される問題じゃない」といった反発の声が強まっている。
出演作への影響は?
ハリウッドを代表する大物俳優に降り注いだ大スキャンダル。これを受けて、すでにケヴィンが主演を務める大人気ドラマ『ハウス・オブ・カード』を制作するNetflixが、来年配信予定のシーズン6をもって同シリーズを終了することを発表。
わいせつ疑惑が浮上する以前からシーズン6が最後と決まっていたため、「打ち切り」という表現は使われていなかったが、この一件が引き金で正式発表にいたったとみられる。
ケヴィンほどの実力派俳優ともなればこのほかにも公開予定の出演作品が目白押し。今後の展開によっては甚大な影響が出てくる可能性も否めない。