意外な1位は?
世界中に利用客を持つイギリス発の巨大ファッション・キュレーションサイト「Lyst」が、2017年に100以上のオンライン媒体で公開されたファッション関連記事30,000件から抽出されたデータを元に今年最もファッション界で使用されたキーワードのトップ10を発表。
単語数すること、じつに860万語以上から1位に輝いたのは、なんと「Power(パワー)」という、ファッションとは一見あまり関係のなさそうな単語。
しかし、これは昨今の時代背景がしっかりと反映された結果。
フェミニズム運動の活性化が影響
1月のドナルド・トランプ第45代アメリカ合衆国大統領の就任式に合わせて世界規模で企画され、セレブも多数参加した、女性の地位向上を訴える反トランプデモ「女性のマーチ(ウィメンズ・マーチ)」に始まり、日本でも夏に公開されたパワフルな女性ヒーローを描いた映画『ワンダーウーマン』の世界的大ヒット、10月に明らかになった“映画界のドン”こと大物映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインのセクハラ騒動を引き金に、現在でも各界で相次いでいる被害女性たちの告発など、今年は女性たちの勇敢な姿や力強さが例年よりもひと際目立った1年だった。
そんな流れを受け、ファッション界にもフェミニズム旋風が吹き荒れることに。
多数の有名ブランドがパワフルなスローガンをプリントしたTシャツなどのアイテムを発表したほか、女性の強さを表す「Power Suit(パワー・スーツ)」や「Power Shoulder(パワー・ショルダー)」といったマスキュリンなファッションが流行したことも「パワー」という言葉が多用された一因となった。
9位以下は以下の通りとなっている。
2. Woke(ウォーク)
(人種差別や性差別、社会問題などについて)詳しい、意識がある
3. Statement(ステートメント)
メッセージ性のある、存在感がある
4. Floral(フローラル)
花柄、フラワーモチーフ
5. Millennial(ミレ二アル)
ミレ二アル世代(1980年代から2000年代初頭までに生まれた人)
6. Extra(エクストラ)
やりすぎ、余分な、ド派手な
7. Masculine(マスキュリン)
男性らしい、男勝りの
8. Cult(カルト)
カルト的な人気がある、熱狂的な
9. Ugly(アグリー)
醜い、ブサイクな(Ugly Sweater/アグリー・セーター、Ugly Shoes/アグリー・シューズ
など、あえて悪趣味にしたデザインのアイテムがトレンドとなった)
10. Vegan(ヴィ―ガン)
毛皮や皮などの動物由来の素材を使用しないこと(完全菜食主義者という意味も)
じつは、世相を色濃く映し出しているファッション界。2018年は一体どんなキーワードが流行するのか、今から注目だ。