「席埋め係」は重要な仕事
現地時間28日、米ニューヨークで開催された“音楽界で最も権威ある賞”と言われるグラミー賞の授賞式。どこを見ても有名アーティストだらけの豪華な授賞式が毎年見ものだが、実はそのなかにまったく無関係の一般人が混じっているのをご存じだろうか?
これらの人たちを総称して「シートフィラー(Seat Filler)」、日本語で言うところの「席埋め係」と呼ぶ。授賞式でセレブが檀上に上がったりお手洗いに行ったりした際に、空席が目立たないよう不在の間だけ席を埋めるのが彼らの役割。授賞式に参加できるうえ、場合によってはセレブの隣に座れるという、なんともうらやましい仕事内容。無給のボランティアだが、志願者が後を絶たない。
エンタメの聖地ロサンゼルスを拠点に席埋め係の募集を行う会社が米NY Post誌に語ったところによると、グラミー賞の席埋め係には毎年2万人以上の人たちから応募が来るという。そこから選ばれるのは、大体約300~350人くらいだとか。
ちなみに、席埋め係はグラミー賞に限らずアカデミー賞やゴールデン・グローブ賞といったほかのアワードにも必ず存在する。
「席埋め係」経験者が語る授賞式の裏側
席埋め係の人たちの大半が日の目を浴びることなく仕事を終えるが、なかには授賞式の模様を撮影するカメラに映りこんでしまったなんて人も。
昨年、グラミー賞の授賞式に参加したという女性はリアーナのかわりに20~30分ほど席を埋めていたところ、その間に隣に座っていたチャンス・ザ・ラッパーが賞を受賞。そのため、たまたま彼の隣の座席にいた彼女の姿が大画面にドアップで映し出されてしまったことを、本人が米NY Post誌のインタビューで話している。
また、これまでアカデミー賞やゴールデン・グローブ賞、エミー賞といった主要アワードで席埋め係を経験してきたモニカ・エンリケは、豪メディアNews.comの取材に「席埋め係のルール」があることを告白。そのなかには、セレブを含む正式な出席者には自ら話しかけない、カメラを向けられても手を振らないといった、影武者の席埋め係ならではのルールがずらっと並んでいた。